犬は飼い主の病気がわかる?
飼い主が体調を悪くして寝込んでいるとき、寝室に入ったままリビングに来ないこと、布団に入ったままであること、お散歩に連れて行ってもらえないことなどから「様子がおかしい」ということは犬にもわかります。
風邪をひいて寝込んだとき、いつもは一緒に寝てくれない愛犬が、ずっと布団の上に一緒に寝てくれていた、という経験のある飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
飼い主のいつもと違う様子に不安を感じ、愛犬にもいつもと違う様子が見られたり、粗相をしたり、体調を悪くしてしまうこともあるようです。
そして、犬には病気を察知する能力があるとされています。愛犬の仕草や行動をきっかけに自分の病気に気づくことができた、という話をテレビ番組などで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
私が最近見聞きした中には、特別養護老人ホームで暮らす犬が、亡くなる直前の人に寄り添う、という話もありました。
犬は飼い主の病気をどのように判断しているのか、いくつかの事例と共にご紹介します。
低血糖であることを感知する「糖尿病アラート犬」
糖尿病アラート犬の存在をご存じでしょうか。糖尿病患者が低血糖になってしまったとき、知らせてくれる犬のことを言います。
特別な訓練を受けており、測定器よりも早く知らせてくれることで、糖尿病患者の命が救われた事例もあるようです。
アメリカでは、小児糖尿病患者の医療に役立てるため、『リッチモンド糖尿病アラート犬育成プログラム』というものが行われています。
訓練を受けた犬の中には、飼い主が低血糖状態であるとき、血糖値を上げるために必要な糖分を含んだ飲み物を運んでくる、ということができる犬もいるようです。
低血糖状態であることを判断する方法は、糖尿病患者が低血糖状態にあるときに発せられるニオイを嗅ぎ分けることです。
血糖値に異常がみられたとき、呼気中のイソプレンという物質が増減することがわかっており、そのニオイの増減を感知する能力があるのではないかと考えることができます。
ガンを探知する「ガン探知犬」
ガン探知犬は、人間の体の中にガン細胞が存在するかどうかを感知することができる犬のことを言います。
特別な訓練を受けた犬で、ガンの種類にもよって変わることがあるそうですが、ほぼ100%の確率で感知することができるとされています。
肺ガン・前立腺ガン・膀胱ガン・皮膚ガン・乳ガン・卵巣ガンなどを探知することができ、初めてガン探知犬として認められた犬が探知したのは、人間の皮膚ガンであったようです。
探知する方法は、ガン患者である人の呼気・血液・尿・皮膚表面で、ニオイを嗅ぎ分けることで判断しているのではないかとされています。
しかし、何を嗅ぎ分けているのか、ということまでは明確になっていないようです。とある論文では、尿よりも呼気への感受性や特異性が高かったとしています。
まとめ
一般的には、飼い主のいつもと違う様子から異変を感知しているのではないか、と考えることができます。
そして、訓練を受けた犬の中には、低血糖状態であること感知したり、体の中にガン細胞があることを探知したりすることができる犬もいます。
犬の嗅覚は、人間の10000倍~100000倍もあるとされており、その優れた能力を使って判断することができるのではないでしょうか。
飼い主の病気を感知するとき、飼い主から発せられる呼気のニオイを嗅ぎ、判断しているという説が濃厚のようです。
2011年に九州大医学部第二外科のグループで行われた実証実験では、千葉県南房総市にあるガン探知犬育成センターで飼育されている「マリーン」という犬が参加し、『300人中1人の大腸ガン患者の呼気から91.6%の精度で嗅ぎ分けることができた』としています。
愛犬が飼い主の顔や口元のニオイをしきりに嗅ぐ仕草をするとき、もしかすると、呼気の異常に気づいている…なんてことがあるかもしれませんね。
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