犬の引っ張り癖は直すべき?
散歩中、犬がリードをグイグイ引っ張ると、飼い主にとっては負担が大きいものです。踏ん張るようにして歩かなければならないため、膝に負担がかかりやすく、腰まで痛めてしまうことがあります。
愛犬に引っ張り癖がある場合、膝や腰を悪くした状態では、散歩に行くことさえ難しくなってしまう場合もあるでしょう。
そして、犬にとっても負担は大きいものです。首輪が首を絞めつけたり、ハーネスが脇腹に食い込んでしまったり、知らぬ間に気管や皮膚を痛めているかもしれません。
犬の関節にも大きな負担がかかり続け、慢性的な炎症の原因になる場合もあるでしょう。
犬が「散歩中にリードを引っ張る」理由
毎日の日課である散歩だからこそ、負担の少ない楽しい時間にしたいですよね。
そこで今回は、犬が「散歩中にリードを引っ張る」理由と改善方法を解説しますので、少しずつ引っ張り癖を直していきましょう。
1.嬉しくて興奮している
犬が散歩中にリードを引っ張るのは、嬉しくて興奮しているからです。
お留守番中の退屈やストレスから解放され、外に出て風に当たることや体を動かすことが嬉しくて、興奮してしまう犬は多いものです。
ただし、外に出るという行為だけでも良い気分転換になりますよね。1日の大半を自宅の室内でお留守番している犬にとっても嬉しいもので、つい興奮してしまうのです。
飼い主が帰宅したとき、嬉しくて興奮することがある犬の場合、少し時間をおいてから散歩に出るようにするとよいと思います。興奮に興奮が重なると、リードを引っ張る強さも増してしまいます。
できる限りお留守番の時間を短くしてあげる、という方法も改善に役立つ場合があります。
2.目的地まで急ぎたい
犬が散歩中にリードを引っ張るのは、目的地まで急ぎたいからです。
愛犬には、毎日必ず立ち寄る場所があるのではないでしょうか。公園、ドッグラン、おともだち犬の家、飼い主の実家などです。
そこへ行くことが楽しみで仕方ないのでしょう。「早く行きたい!早く会いたい!」という気持ちから急ぎ足になり、ついリードを引っ張ってしまうのです。こんなとき、犬は飼い主のことを意識していないのです。
引っ張り癖の改善方法として、アイコンタクトを意識してみましょう。
犬が飼い主に意識を向けていないとき、「ゆっくり歩いて!」と声をかけても届きません。リードを引っ張るときは立ち止まり、アイコンタクトができたら歩き出す、という練習を繰り返しましょう。
リードを引っ張ると歩かせてもらえないんだということが分かると、少しずつでも改善されていくでしょう。
3.逃げ出したい
犬が散歩中にリードを引っ張るのは、逃げ出したいからです。
「外の世界に慣れていない」「散歩に慣れていない」「ハーネスやリードをつけられるのが嫌」「他人や他犬が怖い」など、犬にとって逃げ出したい理由は様々です。
また、散歩中の嫌な経験や怖い思いをしたことが理由になることもあります。リードを引っ張るとき、飼い主が声を荒げて怒るなども逃げ出したい理由になることがあります。
とはいえ、トイレトレーニングをされていない犬にとって、嫌でも怖くても、どうしたって散歩に行かなければなりません。結果として、毎日散歩の度に、愛犬を苦しめてしまっているかもしれません。
まずは抱っこで散歩してあげたり、ペットカートで散歩したりなど、外の世界やすれ違う他人や他犬に慣れることから始めましょう。
リードを引っ張ることなく、上手に歩くことができたら思いっきり褒めてあげてください。ご褒美におやつを与えてもよいと思います。
今は散歩にネガティブな感情を抱いているかもしれませんが、散歩中に嬉しいことや楽しいことが増えると、少しずつ散歩を好きになってもらえるでしょう。
まとめ
犬が散歩中にリードを引っ張る理由を3つ解説しました。
- 嬉しくて興奮している
- 目的地まで急ぎたい
- 逃げ出したい
犬がリードを引っ張るとき、咳き込むことはありませんか。頸部が圧迫されることで、気道や気管に大きな負担がかかっている証拠です。
気管は潰れると元に戻りません。呼吸が苦しい状態にまで潰れてしまうと、高度な技術を要する手術をしなければならず、手術が可能な獣医師もそう多くはないでしょう。
つまり、散歩中に犬がリードを引っ張るのは、健康と命にも関わるほど危険な行為なのです。そのため愛犬に引っ張り癖がある場合は、愛犬の気持ちを最優先に、根気強くじっくりと直していきましょう。
「かわいそうだから今すぐに改善したい!」などと飼い主が焦ってしまうと改善できることも出来なくなってしまいます。愛犬のためにも焦らずじっくり取り組むことが、改善のコツだと思います。
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