1.すぐに患部を押さえてふさぐ
犬に咬まれて出血したり、傷ができたりすると、止血や傷口の保護をするために患部をすぐに押さえる人が多いと思います。
確かに、多量の出血がある場合は止血も必要ですが、犬に咬まれた場合はその前に「洗浄」することが必要です。
犬の口内には、様々な細菌やウイルス、病原体が存在している可能性が高く、咬まれたことでそれらが傷口から体内に侵入してしまうことが考えられます。
そのため、傷口を手で押さえるだけでなく、そのまま絆創膏などで傷口をふさいでしまうような行為は、傷口から細菌やウイルスが侵入しやすくなりますので、絶対に控えてください。
犬に咬まれた場合、まず傷口を水道水や精製水などきれいな水でしっかりと洗い流すことが大切です。十分な水で洗い流してから、清潔なタオルやガーゼなどを患部に押し当てて止血するようにしましょう。
2.病院での処置をおこなわない
犬を飼っている人や日頃から動物と接する機会が多い人は、犬に咬まれたことをそれほど重視せず、病院に行かずに自分で処置を完了させてしまいがちです。
しかし、多くの犬が保持しているパスツレラ菌属は、人間の体内に侵入すると傷口の炎症や腫れ、発熱、気管支炎、敗血症などを引き起こす可能性があるとされています。また、現在の日本ではほとんど発症事例がありませんが、狂犬病になる可能性もゼロではありません。
実際、日本では狂犬病の予防接種が義務付けられていますが、最近咬傷事故を起こしてしまった犬は予防接種を受けていなかったことがわかっています。
そのようなことから、犬に咬まれた患者には、状況に合わせてワクチン接種がおこなわれたり、抗菌薬や抗生物質が処方・投与されたりします。
犬に咬まれたときは思わぬ事態に陥ることのないように、医師による治療を受けるようにしてください。
3.咬みつかれた場所を引っ張って離れようとする
犬に咬まれると、ほとんど人はとても驚き、恐怖を感じるでしょう。自分から犬を引き離そうと、咬まれている腕や足を引っ張ったり、犬を遠くに押しやったりすることもあるかもしれません。
しかし、犬がまだ咬みついている状態で引き離そうとすると、皮膚が引き裂かれて傷口が大きくなったり、歯の食い込みが深くなったりすることがあります。
動物は咬みついたものが動くと、離さないようにと反射的により強く咬みつく習性を持っています。
犬が咬みついてきてすぐに口を離してくれないときは、物理的に引っ張るのではなく、大きな音をさせたり水をかけたりしてびっくりさせて、自然に犬が口を開けるよう促すといいでしょう。また、洋服やバッグなどで犬の目を覆ってしまうのも効果的です。
4.大騒ぎする、犬に反撃する
犬に咬まれたときは、いち早く犬と距離を置くことが大切です。しかし、無理やり引っ張って口を離そうとすると、犬は余計に興奮して激しく咬みつくことがあるので注意しなければなりません。
それと同様の理由から、犬が咬みついてきたときに、大騒ぎしたり離れたあとに反撃したりするのもNGです。
咬みついてしまった犬自身も、ショックを受けていたりパニック状態になっていたりすることがあり、騒ぎ立てることでさらに興奮を助長してしまうのです。
さらなる被害がおこらないように、犬に咬まれたときは静かに距離を置くなど冷静な対応をするように意識してください。
まとめ
犬に咬まれても、軽症の場合は自宅でケアを完了させてしまうことも多いと思います。
しかし、小さな傷や浅い傷であったとしても犬に咬まれたことが原因で深刻な症状を引き起こす可能性もあるので、病院での適切な処置が必要となります。
また、実際に咬まれてしまうと冷静さを失ってしまいますが、咬みつき事故が起こったときには冷静な対応も必要となるので、この記事で紹介したことをぜひ覚えておいてください。
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