犬が人に依存しすぎている時のサインは?
近年、犬が飼い主や家族に依存しすぎてしまい、分離不安になるケースが増えています。分離不安は、分離不安症や分離不安障害とも呼ばれ、不安障害のひとつです。
分離不安の犬は、特定の人(主に飼い主)と離れることに極度の不安やストレスを感じ、問題行動や体調不良を起こします。
犬が人に依存しすぎている場合、さまざまなサインが見られますが、それらのサインは分離不安の症状と共通しています。以下では、犬が人(飼い主)に依存しすぎている時のサインをご紹介します。
1.姿が見えないとずっと吠える、鳴く
飼い主の姿が見えなくなると吠えたり鳴いたりし続けるのは、飼い主に依存しすぎているせいだと考えられます。飼い主が外出する際に吠えたり鳴いたりする犬は多いですが、ほとんどの場合は数分で静まります。
しかし飼い主に依存しすぎている犬は、飼い主がいない状況に不安を感じ、ずっと吠えたり鳴いたりし続けてしまうのです。飼い主がほんの少しの間、別の部屋へ行っただけでも吠えたり鳴いたりするのであれば、依存度がかなり高いと言えます。
2.常にあとをついて回る
常に飼い主のあとをついて回ったりトイレやお風呂にまでついてくるのは、飼い主に依存しすぎているサインです。飼い主に依存しすぎている犬は、飼い主がそばにいないと不安になるため、飼い主が行くところはどこでもついて行こうとします。
3.外出の準備をすると落ち着きがなくなる
飼い主が外出の準備をすると落ち着きがなくなるのも、犬が飼い主に依存しすぎているサインのひとつです。飼い主が着替えや身支度を始めると、留守番を察知して不安になりソワソワし始めます。さらにクンクン鳴いたり震え出したりすることもあります。
4.留守番中に粗相をする
飼い主に依存しすぎている犬は、留守番中に粗相をすることがあります。飼い主がいない不安やストレスから、粗相をしてしまうのです。帰宅して粗相に気づいた際は、決して犬を叱らずに速やかに片付けましょう。粗相の結果を叱っても、犬に粗相をすることが良くないことだということが伝わりません。かえって混乱させてしまうことが多いので、叱らない方が良いとされています。
5.留守番中に破壊行動をする
飼い主がいない不安やストレスが、犬を破壊行動に走らせることがあります。普段はいたずらをしないのに、留守番をさせた時に限って家具を噛んだり、床やドアを引っ掻いたりするのは、飼い主に依存しすぎているサインかもしれません。
ただ、留守番中に退屈で破壊行動をすることもあります。その場合は留守番をさせる際に、フードやおやつを入れた知育玩具など、夢中になれるアイテムを与えることで破壊行動は見られなくなるでしょう。
6.留守番中に足を舐め続ける
犬は不安やストレスを感じると、自分の足を舐めることがあります。そうやって気持ちを落ち着かせようとするのです。
飼い主に依存しすぎている犬は、飼い主がいないと大きな不安やストレスを感じるため、留守番中に足を舐め続けてしまうことがあります。飼い主が帰宅した時に犬の足がよだれで濡れているのなら、留守番中に足を舐め続けていたと考えられます。
7.留守番をすると嘔吐や下痢をする
飼い主がいない不安やストレスが過度に高まると、犬の消化器官に影響が出ることがあります。そのため留守番をさせると嘔吐や下痢をするのも、犬が飼い主に依存しすぎているサインと言えます。嘔吐や下痢は留守番中ではなく、飼い主の帰宅後や翌日など、遅れて起こることも。
犬が分離不安になる原因は?
犬が分離不安になる原因はいろいろあります。具体的にどのような原因があるのか、一緒に見ていきましょう。
1.構いすぎ
かつては庭や玄関先で番犬として飼われていた犬たちですが、今は家族の一員として室内で飼われるのが一般的になっています。犬と飼い主との距離が近くなった分、飼い主はつい犬に構いすぎてしまいがちです。
しかし常に抱っこをしたり撫でたりして犬に構いすぎると、犬の自立心が育ちにくくなります。そうすると犬が飼い主に依存しすぎて、分離不安になってしまうことがあります。
犬とのスキンシップやコミュニケーションはとても大事ですが、過剰になってもよくありません。飼い主が家にいても犬と別々に過ごす時間を作るなど、適度な距離を保つようにしましょう。
2.環境の変化
生活環境が変化したことがきっかけで、分離不安になることがあります。例えば、引っ越しや家族構成の変化、飼い主の生活リズムの変化などに犬がなかなか適応できず、不安を感じてしまい分離不安を起こすのです。
犬は環境の変化に不安を感じやすいため、変化を最小限に抑える工夫をしたり、徐々に犬を変化に慣れさせたりすることが大切です。
3.留守番中の怖い体験
留守番中の怖い体験が分離不安の原因になることもあります。犬がひとりで留守番をしている時に地震や雷などが起こると、それは犬にとって怖い体験となります。
そのような体験があると「飼い主と離れるとまた怖いことが起こるかも」という不安に襲われやすく、その不安が分離不安につながるのです。
4.いきなり長時間の留守番をさせられた
犬の留守番は、時間をかけて慣らしていくことが大切です。飼い主が犬の前から数分いなくなることから始めて、少しずついなくなる時間を延ばし、飼い主は必ず戻ってくることを犬に理解させなくてはいけません。
そのことを理解していないのに、いきなり長時間の留守番をさせられると、犬は「飼い主は戻ってこないのかも」という不安を感じながら何時間も過ごすことになります。この経験がきっかけで、分離不安になってしまうことがあります。
5.加齢
犬は年を取ると視覚や聴覚などの感覚器官が衰え、周囲の状況を認識しづらくなります。これは犬にとって不安なことであり、分離不安を引き起こすことがあります。
ずっと分離不安の兆候がなかった犬でも、年を取ってから分離不安になることがあるので注意が必要です。
まとめ
犬が人に依存しすぎてしまうことがあります。特に飼い主に依存しすぎてしまうことが多く、そうなった場合には以下のようなサインを見せます。
- 姿が見えないとずっと吠える、鳴く
- 常にあとをついて回る
- 外出の準備をすると落ち着きがなくなる
- 留守番中に粗相をする
- 留守番中に破壊行動をする
- 留守番中に足を舐め続ける
- 留守番をすると嘔吐や下痢をする
これらのサインは、分離不安の症状でもあります。
分離不安の原因は
- 構いすぎ
- 環境の変化
- 留守番中の怖い体験
- いきなり長時間の留守番をさせられた
- 加齢
などです。
分離不安はその犬に合った方法で対処しないと、症状が悪化することがあります。そのため、もし愛犬に分離不安が疑われる場合は、まず獣医師に相談しましょう。
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