犬にやってはいけない「しつけ方」
犬にしつけをすることは飼い主の義務でもあり、愛犬が快適に人間社会で暮らしていくための手助けでもあります。
しかしその方法は実にさまざまで、実際犬にやってはいけない「しつけ方」をしてしまっている飼い主さんもいます。
そこで今回は、犬にやってはいけない「しつけ方」について解説します。正しいしつけ方ができているかどうか、この機会に確認しておきましょう。
1.リードをいきなりグッと強く引っ張る
お散歩中のしつけ方として、リードをいきなりグッと強く引っ張ることは、絶対にやってはいけません。
犬が体に強い衝撃を受けます。よろけてしまったとき、手足の関節を痛めてしまうことがあります。首輪にリードを繋いでいる場合、首や呼吸器官を痛めてしまうことがあります。
超小型犬である場合、リードをいきなりグッと強く引っ張られた衝撃と圧力によって、呼吸器官が潰されてしまう危険性があります。潰れてしまった呼吸器官は、もう元には戻りません。手術による治療は可能ですが、高度な知識と技術を必要とし、豊富な経験を持つ獣医師でも困難を極めるとされています。
お散歩中のしつけ方として、リードをいきなりグッと強く引っ張ることは、犬にやってはいけないしつけ方です。
リードを引くことで指示を出す必要があるときは、ちょんっとかるく引く程度で大丈夫です。十分に伝わります。
2.犬の頭や体を叩く
しつけとして、犬の頭や体を叩くことは、絶対にやってはいけません。
グーの手ではいけないけど、パーの手なら大丈夫だろう。頭を叩くのはいけないけど、おしりを叩くのは大丈夫だろう。こういった考えもあるようですが、絶対にダメです。体罰であると言えます。
叩かれた犬は言うことを聞きます。言うことを聞かなければ、また叩かれるからです。飼い主を信頼して従っているのではなく、恐怖で支配されているだけです。
なぜ飼い主を怒らせてしまったのかを理解できていないため、同じ行動を繰り返します。その度に叩かれます。犬はどんどん自信をなくし、自分の身を守るため、攻撃的になってしまうこともあります。
どんなにしつけが上手くいかなくても、犬の頭や体を叩くのは、犬にやってはいけないしつけ方です。
3.怒鳴りつける
ついイラっとして怒鳴りつけてしまうことがあるのではないでしょうか。思わず大きな声が出てしまうこともあるかと思いますが、犬を怒鳴りつけるのは、絶対にやってはいけません。
犬の悪い行動を怒鳴りつけたとき、犬は緊張します。怖いと感じます。一時的におとなしくなります。しかし、自分の行動が悪い行動だった、ということまでは理解できません。
また同じ悪い行動を繰り返し、その度に飼い主に怒鳴りつけられるのです。怒鳴りつけることでは解決できない、ということをお分かりいただけるでしょうか。
「何でそんなことするの!うるさい!」と声を荒げる必要はありません。「ダメだよ」や「いけないよ」など、優しく諭すように声をかけるだけでも十分に伝わります。
ただ、やはり相手は犬です。大人の人間ではありません。たった一度だけでは理解できないことがあります。犬によっては時間が掛かる場合もあるかもしれませんが、理解できるときまで、根気強く教えてあげてください。
感情にまかせて怒鳴りつけるのは、犬にやってはいけないしつけ方です。
4.事後を叱る
お留守番中のイタズラや粗相を叱るなど、事後を叱るのは、犬にやってはいけないしつけ方です。
実は、犬が「何を叱られているのか」を上手く理解することができるのは、最中または直後です。イタズラの最中、粗相の直後に叱ることで、何を叱られたのかを上手く理解することができます。
お留守番中のイタズラや粗相は事後です。「叱られている」ということは理解できても、「何を叱られているのか」までは上手く理解することができない可能性が高いです。
お留守番中のイタズラや粗相が繰り返されるのであれば、叱ることよりも、イタズラをさせない、粗相をさせない環境を作ってあげた方が犬にとって安全です。
絶対にやってはいけない!というわけではありませんが、事後を叱ってもしつけが上手くいかないことの方が多いです。
まとめ
今回は、犬にやってはいけない「しつけ方」について解説しました。
- リードをいきなりグッと強く引っ張る
- 犬の頭や体を叩く
- 怒鳴りつける
- 事後を叱る
どれも(ついやってしまっているかも…)という飼い主が多いのではないでしょうか。
しつけには「力」は必要ないと思います。力づくで何とかしようとすればするほど、犬は抵抗します。
どうしても叱らなければならない場面があるときは、まずは飼い主が心を落ち着かせましょう。冷静に堂々とした態度で優しく叱り、楽しんでしつけを行ってみましょう。
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