犬が「冬太り」しやすい理由
私たち人間や犬などの哺乳類は、周囲の温度に影響されることなく体温を保つことができる「恒温動物」です。体の中で脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出すことで、体温を一定に保っているのです。
低い気温に負けることのないように体温を上げるために、脂肪を燃焼するため、秋から冬にかけて体の脂肪を増やす傾向があります。そのために寒くなってくると食欲も増し、より多くのカロリーを摂取しようとするのが自然な生理現象なのです。
しかしながら、室内で暮らす犬の場合、散歩時以外にはあたたかく室温が調整された部屋で過ごすことが大半です。そのため、脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出す機会が少なく、脂肪がそのまま溜めこまれてしまい肥満になってしまうことがあるのです。
また、寒くなったり雪が降ったりすると、散歩を控えたり短い時間にしてしまったりする飼い主さんもいます。確かに寒さの厳しい中で散歩に出るのはつらいと感じるかもしれませんが、愛犬の健康を維持するためにしっかりと運動させてあげることが必要です。
犬の「冬太り」を防ぐための方法
ではここからは、具体的に犬の「冬太り」を防ぐための方法について解説します。いつも冬になると愛犬がなぜかポッチャリする…という飼い主さんはぜひ確認してくださいね。
1.運動量を増やす
犬が太るということは、エネルギーが十分に消費されていない、ということになります。つまり、太る原因として「運動不足」が考えられるということです。
寒い季節になると寒さはもちろん夕方の暗さなどが原因で、飼い主さんはつい散歩を早々に切り上げてしまいがちです。そのようなことが日常化すると、運動不足が慢性化してしまい、徐々にカロリー過多となってしまうのです。
そのため、犬の冬太りを防ぐためには十分な時間の散歩をしたり、室内でしっかり運動をさせたりする必要があります。雪など悪天候で散歩に出られないときは、室内遊びを増やしたり、別の日の散歩時間を長くする、というような調整をしましょう。
2.ご飯の量やカロリーを調整する
運動をきちんとしていても太ってしまう、という場合は、摂取カロリーが多すぎるのかもしれません。
ドッグフードなどの場合、体重やライフステージ別に給餌量の目安が記載されていますが、これはあくまで一般的な目安であり、すべての犬に当てはまるものではありません。
消費カロリーは個体差があるため、同じ量を食べていても太ってしまう犬もいれば、痩せてしまう犬もいます。愛犬の体重や体型を確認しながら適切な量の食事を与えてください。
量を減らして満足感も減ってしまうようであれば、ゆでた野菜など低カロリーのものをくわえて「かさ増し」してあげるのもいいでしょう。
犬の肥満は万病の原因に
犬は理想体重を15%以上超えたり、皮膚の外側から肋骨や背骨にまったく触れられなくなったりすると肥満に当たると考えられています。
ふっくらとした犬の姿は可愛らしいという見方もありますが、著しい肥満は健康を害する大きな要因なのでできるだけ避けるべきです。
肥満になると、心血管や循環器、呼吸器、消化器、泌尿器など様々な内臓疾患を引き起こしたり悪化させたりします。また、免疫力の低下を招いて、感染症などにかかりやすくなるともされています。
さらに、肥満によって足や腰の関節への負担も大きくなり、遊びや運動に対する気力も失われてしまう傾向があります。
このように、肥満は心身の健康を害する恐れがあり、犬の寿命を縮める原因とも言われているため、できる限り予防したいものです。
まとめ
犬が太るのは、冬に限らず摂取カロリーが消費カロリーよりも多いことが原因です。そのため、基本的には食事と運動の量のバランスで体重のコントロールをすることになります。
冬になると体を守るために脂肪を蓄えやすくなるなどの傾向もあるので、こまめに体重を測ったりスキンシップをしたりして、愛犬の体型や体重をチェックしておきましょう。
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