クラウドファンディング「RiSSHi」を運営する株式会社RiSSHiは5月25日、同社が手掛けていた「今日、誰のために生きる?」映画化プロジェクトにおいて、クラウドファンディング資金の不適切な取扱いが発覚したことを公表し、謝罪した。
同プロジェクトは、総額約1億616万2791万円、5555名からの支援を受けていたが、資金の大部分が経理担当社員(以下「A氏」)によって、プロジェクト目的とは異なる投資に流用されていたことが社内調査で明らかになった。
発表によると、問題は令和7年3月に会計処理の不整合を確認したことが契機となり、社内調査の結果発覚。RiSSHiは「支援者の皆様の信頼を著しく損なう結果となった」として、深い反省の意を表明した。これまでに支援金のうち約9割にあたる9千815万2675円の返済を完了しており、残額も手数料を含め順次返済するとしている。
しかし、映画化を目指していたプロジェクトは、製作チームである合同会社WATO cre8の判断により中止が決定。支援者の期待に応えられなかったことについて、RiSSHiは重ねて謝罪し、再発防止に向けた体制の見直しに着手したことを明らかにした。
具体的な再発防止策としては、出金フローにおける複数名確認体制の導入、月次資金状況の確認および関係者間の情報共有、さらに資金決裁から記録・確認まで複数担当者での役割分担による透明性確保が挙げられた。
また、現時点でA氏の刑事告訴を行っていない件についても触れ、RiSSHiはA氏に対して法的責任を明示した上で、返済を優先した対応を行っているとし、「誠意ある対応が見られない場合には、法的措置を講じる」との方針を示した。A氏本人も現在、謝罪の意志を持ち準備を進めているという。
RiSSHiは、信頼回復を最優先課題と位置付け、当面は新規プロジェクトの受付を停止すると表明。クラウドファンディング運営体制の見直しと改善、運営全体の透明性向上に努める考えを示した。
今後のプロジェクト再開時期については未定としており、再発防止策と運営体制整備が整い次第、改めて報告するとしている。支援金返金の案内および問い合わせは、合同会社WATO cre8が窓口となり、連絡を行う予定。RiSSHiはWATO cre8と連携し、支援者の不安を少しでも軽減できるよう誠実に対応するとしている。
<参考・引用>
RiSSHi公式X(@ri_ss5695)