「ちっこいウニいた」とSNSで報告したのは、筑波大学准教授の谷口俊介さん。下田臨海実験センターにて、ウニの幼生を使用し、光などの外的環境の刺激が体に及ぼす影響などについて研究を行っています。
谷口さんが投稿した写真には、指先にのせられた米粒ほどの小さなウニが写っています。こんなにも小さいのにトゲもしっかりあり、すでに普段見かけるようなウニの形をしていることには驚きです。
コメント欄には「まっくろくろすけ」「金平糖」などの声がよせられ、投稿に集まったいいねの数は12万超。多くの人の関心を集めています。
ウニの赤ちゃんを発見したときの話や、ウニ自体について、このような機会は滅多に無いと思い、谷口さんに色々うかがいました。
――ウニの赤ちゃんを発見した時の状況を教えてください。
天気が良かったので、家族と一緒に磯で昼食をとっていました。生き物が大好きなので海でもよく生き物探しをしているのですが、今回も食後にいつも通り小さな石をひっくり返していたら、この小さなウニがついていました。
――生まれてから何日くらい経つと写真のような形になるのでしょうか?
今回のウニはムラサキウニだと思われます。受精後(生まれてから)3か月から半年くらいだと思います。餌の状況によるので正確なところは難しいですが、食用になるにはここから少なくとも1年以上は必要です。
――ウニの赤ちゃんは、海中で何を食べて大きく成長するのでしょうか?
基本的には海藻を食べて成長しますが、雑食性の面もあるため、魚の死骸などの動物性のものも少しは食べます。
種類によって藻類食寄りの雑食か、肉食かに分かれていて、人が食べるようなウニの種類(エゾバフンウニ、キタムラサキウニ、ムラサキウニ、バフンウニなど)は藻類食寄りの雑食性です。ちなみに幼生は全種類植物プランクトンを食べて育ちます。
――ウニの赤ちゃんの天敵を教えてください。
伊勢海老などのエビやカニの仲間に食べられる可能性が最も高いです。あとはイシダイなどの歯の硬い魚も小さなウニは殻ごと食べてしまうことがあるようです。
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ウニを食べて育った伊勢エビやイシダイはどんな味がするのだろう。思わず食物連鎖にも興味を持ってしまいました。また、ウニ自体も藻類食寄りの雑食か、肉食かに別れているというのは、個人的に初めて知り驚きました。
ウニのことをより深く知る機会となった今回。谷口さん貴重なお話ありがとうございました。
<記事化協力>
谷口俊介さん(@urchin_lab)
(佐藤圭亮)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024041701.html