インターネット上ではさまざまな「怪しげグッズ」が売られていますが、今回紹介したい商品は、そんな中でも特に「あやしい」部類である「思考盗聴対策グッズ」。
思考盗聴対策とはいったいどのようなものなのか、そもそも効果があるのか。色々と疑問が湧いてくるのですが、やはりまず買ってみなければ状況はわかりません。
ということで実際に購入してみました。
■ 思考盗聴対策グッズとは
「思考盗聴対策グッズ」はフリマサイトや、ネットオークション等で販売されております。今回は中でも比較的リーズナブルな電源プラグ（850円／税込・送料込み）を購入してみました。
正式商品名（？）は「電磁波対策 5G対策 思考盗聴防止 スタビライザー」。説明によると、このアイテムは「思考盗聴、電磁波攻撃を防ぐ装置です」とのこと。
「本体表面にコーティングしてある特殊磁力塗装と高純度チタン合金に電気が反応」し、「高濃度イオンクラスター波を発生」させ、「半径10メートル以内の電磁波や盗聴電波をシャットアウト」する効果があるそうです。しかもコンセントをさすだけでOK！！
ただし、このグッズに効果が本当にあるのかは不明。「電磁波」測定は市販の機器でなんとかできそうだとしても、「思考盗聴」というのは何を測定すればいいのやら。また、電磁波測定ができたとしても「電磁波攻撃」はどうやって調べていいのやら……。
おそらく購入してもわからないので、中身を開けて物理的に確認してみることにしました。ということで、ポチ。
そして3日後、到着した「思考盗聴対策グッズ」。エアパッキンに行儀よく包まれております。
ちなみにこのグッズに「ソックリな商品」が実はあるショップで売られています。それは100円ショップでおなじみの「ダイソー」です。
■ ダイソーで同じものが売っていた
ダイソーに行って、「思考盗聴対策グッズ」にソックリなプラグを購入してきました。それが、「ラクラク抜ける電源アダプター」。青色のレバーを押すと電源プラグが抜ける仕組みです。
もちろん、「思考盗聴、電磁波攻撃の対策」機能などはうたわれておりません。ただの単なる、電源プラグです。
それではこの2つの商品をくらべて行きます。
■ 「思考盗聴対策グッズ」と「ダイソー」との違い
購入した商品を2つ並べてみました。「思考盗聴対策グッズ」と「ダイソー」の電源プラグに違いはあるのでしょうか？
まずは、どっちがどっちか、わかりやすいように、シールを貼っておきます。「青」が「思考盗聴対策グッズ」、「赤」が「ダイソー」です。
見た目は、驚くほどそっくり。まるで「ダイソー」の商品をそのまま送っているかのよう……。
もはやシールがないとわからないレベルですが、よーくご覧ください。違いが分かりますでしょうか？
なかなかわかりにくいですよね。ご安心ください、筆者も全くわかりません。
■ 念のため動作チェック
念のため動作チェックを行います。電源をさし込んで、PCが充電されれば動作OKということにします。「ダイソー」のほうは問題なく充電されます。
いっぽう、「思考盗聴対策グッズ」の方も問題なく充電されます。ちなみに説明書き通りならこの瞬間に、特殊磁力塗装と高純度チタン合金に電気が反応している……はずです。正直わかりません。
■ 中身はどうなっているのか割ってみた
ここまで来ても違いが全くわからないので、中身を開けてみます。すると、なんともすごいことに中身も全く一緒。何か特殊な器具が入っているわけでもなく、至って普通の電源プラグに見えます。
また、今回中身を開けるのに、ハンマーを使って叩き割ったのですが、めちゃくちゃ硬い。そしてこの状況から、自分以外がプラグをこじ開けた形跡はありませんでした。
つまり、中を開け改造した様子はなく、現状そのまま。
■ 効果はあったのか？
ではこのプラグにより、思考盗聴や電磁波攻撃をシャットアウトする効果があったかどうかですが、もちろん、体感することはできません。目に見えるものでもなく、また数字で表すこともできません。
つまり「わからん」ということになります。
逆に今回の調査でわかったことは、「思考盗聴対策グッズ」として売られていた商品と、ダイソーの「ラクラク抜ける電源アダプター」は見た目も中身も全く一緒だった、ということです。
なお、ダイソーの「ラクラク抜ける電源アダプター」は、本当に「ラクラク」電源が抜けて使いやすかったです。今回購入した分は中を開けてしまったので、もう捨てるしかありませんが個人的にはもう1個買ってもいいかな、と思うレベル。
「思考盗聴対策グッズ」にも同様の機能がついているので、電源アダプターとしては同じく便利に使えるのではないでしょうか。
もちろん、「ダイソー」で購入したほうがリーズナブルですので、どうしても欲しい方はダイソーで購入したほうがいいでしょう。ダイソー商品から「高濃度イオンクラスター波」が出ることはありませんが、110円でこの使い勝手なら気分は悪くありません。
（たまちゃん）
大谷翔平・野球ニュース