ジオラマ箱庭作家として活動する「かめを工務店」さんが、X(Twitter)で新作を公開。投稿された動画には、何の変哲もない「消しゴム」が映っていますが……いったい何がはじまるのでしょう。
消しゴムを手に取り、ケースを取り外すと……なんとミニチュアの小部屋が現れました。ただ消しゴムをくり抜いただけでなく、内装もしっかり作り込まれています。これはすごい……!
普段からこうしたミニチュアジオラマを多数手がけるかめを工務店さん。日ごろの制作作業の中で、使用する小さなパーツを頻繁に飛ばしたり、紛失したりしていたことから、「これは、この部屋に誰かいるな」と考えるようになったそうです。
もしもその誰かが自分だったならば、隠れやすくて家の建設がしやすい場所を探すと思い、閃いたのが消しゴムの中に小部屋を作るというアイデアでした。よく見ると、中にはひとりのおじさんが暖炉の前に座っていますが、これは自身が同居するならおじさんがいいと思ったからだとか。
先にジオラマを制作してから、消しゴムをくり抜いて埋め込む、といった工程自体はシンプルですが、注目すべきはやはりジオラマそのものの出来栄え。おじさんや暖炉以外にも、テーブルや本棚、観葉植物などが配置されており、まるで本当にそこに住んでいるかのような生活感が感じられます。
中でも特にこだわったのは、暖炉の上に置かれている写真立て。大きさは3mm×2mmくらいという極小のサイズ感はもちろん、作品の裏テーマとして掲げた「望郷」を表現するために欠かせないアイテムとして作り込まれています。
写真にはおじさんと離れて暮らす家族が写っており、それを椅子に座りながら眺めているという構図は、どこか哀愁を感じさせます。これだけの小さな作品でも、こうしたストーリー性をはっきり感じさせるのは、かめを工務店さんの高い制作技術があってこそでしょう。
もしも家の中で物をよくなくす、思ってもいなかった場所から見つかる……なんてことが頻繁に起きているなら、あなたの身の回りにも、小さなおじさんが家を作って住んでいるのかもしれませんよ。
<記事化協力>
かめを工務店さん(@kamewo5)
(山口弘剛)