4月は入学式のシーズン。なかでも、初めて学校に通う小学校の入学式は、親子ともども新しい環境に期待をふくらませて臨むケースが多いようです。
小学生を象徴するアイテムの代表がランドセル。それをモチーフにしたキャンドルが、手作りキャンドル工房のTwitterに投稿されました。なんでも、小学校の入学記念に親御さんから注文された品なんだそうです。
1年生の頃は大きく見えたのに、6年生で卒業する頃にはすっかり小さくなり、我が子の成長ぶりを実感できるランドセル。使い終わったランドセルからミニチュア品を作る方もいて、小学校時代の思い出を物語る品といえるかもしれません。
お子さんが小学校に入学される方から注文を受け、ランドセルのキャンドルを作ったのは、長野県上田市の「キャンドル工房花逍遥」さん。2017年に日本キャンドル協会認定のインストラクター資格を取得し、2019年より工房を開いて活動されています。
キャンドルづくりでは、原型を型取りし、そこに溶融した素材を流し込んで作る方法と、素材を粘土のように扱い、自由に形を作っていく「手ごね」という方法があります。キャンドル工房花逍遥さんでは「手ごね」によって、季節を楽しむ様々な作品を作っているとのこと。
今回、Twitterに投稿されたランドセルのキャンドルは、下のお子さんが小学校に入学する方から、記念として注文されたもの。実は上のお子さんが入学した際に注文された経緯があり、今年はそれに続く依頼だそうです。
「3年前にリクエストレッスンをいただきサンプルを制作したところ、ちょうどお子様が入学を迎える方からオーダーをいただき、ダークブラウンでお作りしました。そして今年は下のお子様の入学に合わせて、ブルーのランドセルキャンドルを作らせていただきました」
材質は、キャンドルに多く使われるパラフィンワックスに、マイクロクリスタリンソフトワックスをブレンドしたもの。
「マイクロ」と略称されることもあるマイクロクリスタリンソフトワックスは、パラフィンに混ぜることで融点が下がり、体温で柔らかくなるため「手ごね」での作品作りには欠かせないものなんだとか。
本体の箱部分は、パラフィンに空気を含ませながら触れるくらいの温度まで冷まし、四角く成形していきます。フラップ状のフタ部分は、四角いシート状に作って本体につなげます。表面にはステッチを細かく表現。
色付けは素材全体に練り込むと顔料が芯の繊維に詰まり、ロウを吸い上げなくなってしまうので表面だけに彩色。ちゃんと火を灯せるキャンドルとして機能するよう、配慮されています。
ショルダーベルトや背部の金具、サイドのベルトやチャームなど細かなディティールも表現。ダークブラウンとブルーだけでなく、色違いの赤いランドセルも見せていただきました。ツヤのある表面が、新1年生のピカピカなランドセルを思わせますね。
ランドセルのキャンドルについて「お祝いごとに関わらせていただけるのはとても嬉しいですし、感謝もしております」と語るキャンドル工房花逍遥さん。このキャンドルが入学した喜びとともに、これからの楽しい学校生活を導く灯火になってくれるといいですね。
<記事化協力>
キャンドル工房花逍遥さん(@hanasyoyo)
(咲村珠樹)