「ドラゴンクエスト」と言えば、過去に多くのシリーズ作品が発売されていますが、その中でも軸となるのが1~11までのいわゆる「ナンバリングタイトル」。これらを実際に使用した、ユニークな時計のファンアート作品が注目を集めています。
壁一面を利用した時計の、数字の部分に置かれているのは、歴代のゲームソフトの現物そのもの。ずらりと並んだタイトルパッケージから、ブランドが積み重ねてきた、歴史の重みを感じます。
自宅のダイニングに「ドラクエ時計」を作り上げたのは、ツイッターユーザーの「ぷ」さんと、小学3年生の長男さん。自身はもちろん、息子さんもドラゴンクエストの大ファンです。
さらにぷさんの父までも同シリーズのファンで、時計にディスプレイされている1~5までのタイトルは、ぷさんが父から譲り受けたものなのだそう。ちなみに12は未発売であるため、現在は代わりに「ドラゴンクエストヒーローズ」の1と2が置かれています。
作品制作のきっかけは、ゲーマーであれば誰もが一度は経験したことがあるのであろう、「ケースの中に違うソフトを入れていた問題」を解消するため。
使った後、きちんと元に戻さない長男さんに対して注意をしたところ「かっこよくしまえたらちゃんとしまうのに」と言われ、文字盤をドラクエにした時計を作ることを思い付き、夏休みの自由課題として制作することに。
ただ制作を行うだけでなく、分度器やコンパスを用いて時計の作りや、文字それぞれの配置角度を求めるなど、きちんと課題としても取り組んだ様子。
出来あがった設計図を元に、木材を切ったり、壁に打ち付けたりという作業はぷさんが、組立て、ヤスリがけ、壁紙への印付けといった作業は長男さんが担当。よく見ると5の下に黒い手の跡がありますが、長男さんの努力の証として、そのまま残してあるのだそう。
さらによく見てみると、1から5までと、7から11まで、左右で台座の高さを変えるという、見栄えをよくするためのこだわりも。これにより、全体のバランスが非常に整って見えます。市販されているムーブメントを中心に据え、ドラクエ時計が遂に完成しました。
完成後はとてもうれしそうにしていた、という長男さん。いつもはリビングで食事をするそうですが、2週間ほどはダイニングを利用していたのだとか。その光景を想像すると、なんだかこちらまで温かい気持ちになります。もちろん、「ケースの中に違うソフトが入っていた問題」も解決。以降はとても几帳面になったそうです。
今作はシリーズの最新作にあたる「12」の発売、ディスプレイをもって、本当の意味での完成となります。
「13以降が発売されるとしたら、この時計とは別に飾りたいと思います。その頃には長男も大きくなっていると思うので、1から5を父が私に譲渡してくれたように、全作品を息子に譲りたいと思っています」と今後の夢を語ってくれたぷさん。親子三世代に渡る物語は、さながらドラゴンクエスト5のような壮大なストーリーになりそうです。
<記事化協力>
ぷさん(@DQaka_pupupusun)
(山口弘剛)