猫用のヘッドホンではなく、猫の毛使ったヘッドホンのため、上記の写真はイメージ映像です。あらかじめご了承ください。
広島県の特機メーカー・平川製作所の「MECAT-SHIMA」は、市販品をカスタムメードして作る世界に1つのヘッドホン。必要な材料は、ベースとなるヘッドホンおよびファーミネーターやブラシで毛づくろいしたときに生じる「猫の下毛(アンダーコート)」。「MECAT-SHIMA」の紹介ページに掲載された仕様書によりますと、製造工程の概略は以下の通り。
- ベース機を計測・分解のうえ、高速コンピュータで計算し、最適となる改造設計を行う
- 設計にしたがって、内部の部品を加除
- 愛猫の毛を充填し、微調整を施して完成
化学的に処理を施した「猫の毛」を遮吸音材として使用して、防音性に優れたヘッドホンになるのだとか。情報をお寄せいただきました、同社の担当者さんによれば「MECAT-SHIMA」の音を耳にしたユーザーさんからも好評を博しているとのこと。
「安価なヘッドホンの「それなりの音」が、高価なヘッドホンの「高級な音」に「化ける」ことから、猫好きの、プロミュージシャンや音響エンジニアさんからも好評です。
「MECAT-SHIMA」の製作に必要な猫の毛の量は、大型ヘッドホンで約10g、小型ヘッドホンで約6g。6gと聞くと些細な量のように思えますが、目安の嵩はこれくらい。大人の手のひらいっぱいくらいになります。
これを洗浄のうえ、化学処理および選別をすると、このくらいの量に。
その後、改造のベースとなるヘッドホンを分解し、猫の毛を充填します(写真の猫の毛は白猫のシロのものです)。
こうして、世界で1つの愛猫の毛を用いた、ヘッドホンが完成。「MECAT-SHIMA」は飼い猫の記憶をとどめるアイテムとして、猫飼い主から同社に製作依頼が寄せられるため、以下のような配慮を行っているそうです。
その猫の格好、毛色、性格を飼い主様にお伺いしてベース機を選び、音もその猫の性格に合わせます。
例えば「賢さ」や「耳のよさ」が目立つ猫であれば、フラットな特性の鋭いモニタートーンに調整しますし、活発さの目立つ猫であれば、鋭くパンチの効いた音に調整します。おっとりした猫であれば、クリアでやわらかい音にします。
その猫の姿とつながらない「MECAT-SHIMA」は「ありえない」ですから、ヘッドホンのデザインと音の両方に、コスト目いっぱい、細かに配慮して作っています。
愛しの猫の毛を用いた、その個性を生かした音が気になるところですが、猫の毛による遮吸音作用もさることながら、「この音はうちの猫が…」と感じる、猫への愛によってさらに音質が高まることが期待される次第です。
もう1つ気になるお値段のほうは、ベース機の種類や、猫の毛質、オーダー要望などによって変わりますので、こちらの公式ページを参考のうえ、お問い合わせください。開発の経緯が記された仕様書はこちら、また「MECAT」シリーズにまつわるエピソードはこちらから合わせてご覧あれ。
[MECAT-SHIMA/平川製作所 via 読者投稿]