体重の推移にせよ、トイレの回数にせよ、水を飲む頻度にせよ、普段を知らなきゃ何にも分かりません。尿の状態だって同じです。
3年程前に、猫専門病院「Tokyo Cat Specialists」の山本先生に伺ったところでは、猫の体調変化を把握する指標のなかで、獣医ではない者にもっともチェックが難しいとされるのが「尿」だという話がありました。量を測るのは至難の業、また、見た目で尿結石の有無を判断するのは「生兵法は怪我の元」の最たるものだそうです。
例えば尿結石について言えば、こちらの論文によれば「尿量、尿pH、および有機マトリックスの存在」が影響し、中でも強い影響を与えるのは「尿pH」だといいます。猫の下部尿路疾患の多くを占めるのは、スツルバイト尿石やシュウ酸カルシウム尿石ですが、尿のpH値が7.0以上ではスツルバイトが結晶化しやすく、pH6.6以下で結晶化しにくくなり、pH6.4以下だと既成のスツルバイト結晶も溶けます。pHが6.0以下になると、今度はシュウ酸カルシウムが結晶化しやすくなるため、尿結石を予防する観点からは「尿pHが6.0ー6.6の範囲に維持されることが望ましい」のだとか。目視で尿のpHを判断するのは無理ですし、毎回pH試験紙でチェックするのも現実的ではありません。
ただでさえ忙しいのに、新型コロナ禍によりなおさら忙しくなっている現代人。猫と共に暮らしていたらますます忙しいわけでありまして、そんな忙し盛りの皆様でも猫のオシッコチェックを手軽に行える猫砂「しぐにゃる」を、株式会社スリーズが開発。7月15日から「Makuake」にてクラファンをスタートしたところ、開始から1週間で支援額は目標額30万円の約700%となる200万円に到達。さらに1週間ほど経過した記事執筆時では目標額の878%となる263万円以上にものぼる支援が集まっております。
「しぐにゃる」の特徴は、猫の尿に反応して色が変わり、色の違いによって異変の兆候となるシグナルを察知できる点です。通常は黄色になる「しぐにゃる」は、尿がアルカリ性に傾くと猫砂の色が青色に。尿に含まれるタンパク質が多いと緑に、血尿が疑われると赤色に、通常は尿に含まれないビリルビンを検知すると茶色になり、さまざまな疾患の予兆を伝えてくれます。
あくまでも簡易的なもので、確定診断は獣医師によりますが、受診の際に「猫砂『しぐにゃる』の色がいつもとちょっと違うので、尿の様子に変化があるようだ」という情報を伝えることができるわけです。
粒の細かなシリカゲルの猫砂状で、すのこを挟まない、たらいタイプの猫トイレに適した形状となっております。毎日継続的に使用して、猫砂に現れる猫のオシッコの色をチェックし、体調管理の一助や病気の早期発見につながると期待されるものであります。
1袋は1500gで約30日分。単品で使うのはもちろん、現在使用中の猫砂と混ぜて使うこともできます。気になるお値段は現時点での先着特価(30%オフ)で1袋2,678円(税込)から。3袋以上の購入で割引率はさらに上がり、12袋セットでは45%オフ価格になります。また、保護猫界隈ではおなじみ「ネコリパブリック」へ、この「しぐにゃる」を寄付できるプランも用意されておりまして、1袋2898円(税込)となっております。
Makuakeでのプロジェクトの期限は8月28日まで。支援額次第では、プロジェクト終了後も量産体制が構築できる可能性があるとのことで、この調子で低価格化へ邁進いただくとともに、保護猫カフェから猫を家族に迎えると1袋付いてくるとか、獣医師のお墨付きを得て動物病院でサンプルが配布されるようになるとか、ペット保険と提携して「しぐにゃる」を継続的に利用して、定期検診を受けているとペット保険料が割安になる特典が付くとか、1年分まとめて購入すると割安になるとか、「しぐにゃる」の色を記録できる健康記録ノートが発売されるとか、といった展開へと発展してユーザーが増えることを願うものであります。さらに、ちゃんと継続して使用していると猫の健康管理につながるというファクトが蓄積され、検知精度の向上につながることも願う次第です。
商品詳細および購入によるプロジェクト支援は、以下のネタ元リンクからどうぞ。
[毎日のおしっこが、健康診断になる。 尿検査できちゃう猫砂「しぐにゃる」/via PR TIMES]