本日の美人猫は、顔と手先にちょこっとだけ茶縞の毛並みを神様にあしらわれた、ほぼ白猫。でも近くで見ると、鼻先のピンクとソバカス、目頭と目尻のコントラストなどなど豊かな色彩を湛えているのが伺えます。
眠たげな表情で、ジャングル大帝を彷彿とさせる豊かな頬を背もたれに乗せた寝姿はふてぶてしさを感じさせます。「ふてぶてし」は漢字で書くと「太々し」でありまして、元を辿れば「太い太い」で「ものすごく太い」の意。「太い」は太っているのではなく、「心や気持が豊かで大きい」の意味です。
辞書によりますれば、語幹の「ふと」は上代には「神やそれに準ずるものに関する名詞や動詞に上接するところから、賛美の意が込められていたと考えられる」そうで、まさにこの美しき白猫を描写するにふさわしい言葉と言えるのではないでしょうか。ふてぶてしい猫の姿を愛でながら、胆力太く、魂太く、さらには手遅れかもしれませんが実家も太くなりますようにと願うものであります。
[Photo by Izabelle Acheson on Unsplash]