猫は生まれながらの名ハンター

ネコ科と言えば、ライオン、トラ、ヒョウ、チーターなど、いずれも狩の能力に優れている動物ばかりです。リビアヤマネコを祖先とし、私たち人間と一緒に暮らすことを選んだ現代のイエネコは、狩をする必要がなくなりましたが狩猟本能を捨ててはいません。
SNS等ではかわいいと評判を呼んでいる「猫がお尻を左右にフリフリと振る仕草」は、実はこの狩猟本能から引き出された行為です。それでは、猫のお尻フリフリにはどのような理由があるのかについて、考えられている諸説を解説します。
猫がお尻をフリフリしているときの理由

1.準備運動
犬は、逃げる獲物を追いかけるという、持久力を活かした狩のスタイルを得意としています。しかし猫は、物陰に隠れて獲物を待ち伏せ、適度な距離にまで近づいてきたら飛びかかって捕まえるという、瞬発力を活かしたスタイルを得意としています。
待ち伏せをしている間はじっと体を固くしているため、必要なタイミングで瞬発力を発揮できるよう、待ち伏せ中の準備運動としてお尻を左右に振るのだと考えられています。
2.集中力を高める
持久力のない猫は、持っている身体能力をフルに活用し、短時間で決着をつける必要があります。待ち伏せをしながら、視力、嗅覚、聴力を近付いてくる獲物に向け、お尻を左右に振りながら集中力を高めているのだとも考えられます。
3.タイミングを計る
固まった体を準備運動でほぐし、集中力を高めても、獲物に飛び掛かるタイミングを間違えてしまうと狩は失敗してしまいます。お尻を左右に振りながら、獲物に飛び掛かる最適なタイミングを計っているとも考えられています。
4.勢いをつける
猫のジャンプ力は優れた武器の一つです。そのため、後ろ足の筋肉が非常に発達しています。しかし、さらに勢いをつけるために、お尻を左右に振りながら、猫は後ろ足の爪を出し、飛び掛かる瞬間に備えていると言われています。爪を地面に食い込ませることで、短距離選手がスタートする際のスパイクのような役割を果たしているのです。
愛猫のお尻フリフリが見られるシーン

獲物を狙っているとき
猫のお尻フリフリは、狩のための行動です。しかし、愛猫と一緒におもちゃで遊んでいるときに、猫がお尻を左右に振る姿を目にしたことがあるかもしれません。
狩猟本能を祖先からそのまま引き継いでいる猫にとって、今でも最も興味を引く行為は狩です。そのため、飼い主さんが操るおもちゃを獲物に見立てて、狩の様子を再現する遊びが大好きなのです。猫は狩の時と同じようにお尻を左右に振り、おもちゃに飛びかかっていくのです。
木の枝などに止まった鳥を見て
窓から外の様子を眺めるのが好きな猫はたくさんいます。特に2階以上の部屋だと、ベランダの手すりや木の枝に止まっている鳥の様子がよく見えることでしょう。
猫は、窓の向こうにいる鳥に焦点を合わせ、独特な「カッカッカッカッカッ」という声を出しながらお尻をフリフリさせることがあります。これも、猫が鳥を狙っている行動だと考えられています。
飼い主を待ち伏せしているとき
物陰に隠れた猫が、左右にお尻を振った後に飼い主さんに向かって飛びかかってくることがあるかもしれません。これは、目の前をパタパタと通過する飼い主さんの足やひらひらと動いている手を獲物に見立てて、猫が狩りごっこをしているのだと考えられます。
遊びの時間が足りなくなると、猫は飼い主さんの手足を獲物に見立てて、狩りごっこを始めることがあるのです。人の手や足を引っ掻いたり噛みついたりする可能性があるため、人の手や足を獲物に見立てて遊ばせないようにしましょう。愛猫と、1回10分程度の遊びを1日に複数回行う時間を作りましょう。食事前に遊ぶのが理想的です。
まとめ

猫にはあまり運動をさせる必要がないと思っている方もいるようです。しかし猫にも、運動欲求もあれば狩猟本能もあります。これらが満たされないと、それが原因となり猫はストレスを溜め、心身に不調をきたすこともあります。
忙しい飼い主さんも、愛猫からお尻フリフリの動作を引き出せるくらい上手におもちゃを操り、愛猫に狩りごっこを満喫させてあげましょう。
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