猫にも脳活って必要なの?
日本では、長い間家の中と外を自由に行き来できるような暮らし方をしてきた猫たちですが、最近では完全室内飼育がかなり普及してきました。完全室内飼育には、安全に暮らせる、平均寿命が延びたなど、多くのメリットがあります。
しかし、唯一生まれた大きなデメリットが、刺激の少ない暮らしになってしまったということです。飼い主さんが仕事で家を空けている間、何もすることがなく家の中にいなければならない猫は、天敵に襲われる心配はないものの、日がな一日ぼーっと退屈な思いをしていることでしょう。
あまりにも刺激のない暮らしは、無気力を招いたり脳の機能を低下させて認知症になりやすくなったりと、心身の健康に良くない影響を及ぼすことがあります。この点をリカバリーするのが、猫の脳活です。愛猫の脳を活性化させ、楽しく元気に長生きしてもらいましょう。
猫の脳を刺激する知育トイ
猫の脳を楽しく刺激するおもちゃ
猫が自然と知恵を働かせるような仕組みが組み込まれているおもちゃが、知育トイです。大抵の猫は「食べ物」に最も興味を引かれます。そのため猫用の知育トイは、中に猫が大好きなおやつなどを仕込み、知恵を絞らないと取り出せないような仕掛けになっているものが一般的です。
中には食べ物を用いずに、猫の興味を引くような仕掛けが施されている知育トイも出てきています。それでは、具体的に知育トイにはどのようなタイプがあるのかをご紹介しましょう。
転がし方式のフィーダー
ボールやボトルのような形状をしている器の側面に小さな穴が空いていて、猫がその器を床で転がすと中に入っているフードが穴からこぼれる仕組みのおもちゃです。
このタイプは構造が単純なので、ペットボトルやガチャ玉などを利用して、飼い主さんが簡単に手作りすることもできます。愛猫の反応を試してみるための、最初の知育トイとして向いているといえるでしょう。
パズル方式のフィーダー
猫が手や鼻などを使い、工夫しないと中のフードを取り出せない仕組みになっている知育トイです。犬と異なり、猫は前脚を器用に使えるため、多少複雑な仕組みでも上手に取り出すことができるようになります。
コツがわからないとすぐには取り出せないことが多いので、最初は飼い主さんが遊び方を上手に教えてあげて、少しずつレベルの高い知育トイに乗り換えていくようにすると良いでしょう。
食べ物以外を使った知育トイ
ボールが入っている複数のスロープが層状に積まれていて猫が隙間から入れた前脚で中のボールを転がすおもちゃや、電動で動くマウス型のおもちゃなど、猫がひとり遊びできるようなおもちゃも数多く出ています。ただし、食べ物が使われていないおもちゃは、動きに慣れてしまうとすぐに飽きてしまう猫も多いようです。
猫に考えさせる新しい遊ばせ方
市販の知育トイを買ったり、飼い主さんが手作りしたりしなくても、工夫次第ですぐに遊べる「猫に考えさせる遊ばせ方」をいくつかご紹介します。
宝探しゲーム
犬のノーズワークのように、家の中のあちらこちらにドライフードを少しずつ隠し、猫に探させるゲームです。部屋中を使うのではなく、段ボール箱の底の重なっている部分に隠す、箱の中にたくさんのボールやペットボトルのキャップを入れ、その中にドライフードを隠して探させるなど、工夫次第でいろいろな遊び方ができます。
タッチトレーニング
よく動物園で飼育係の方が動物たちに行っているトレーニングを応用して、ご自宅で愛猫に頭を使わせて遊ばせることができます。
猫の鼻先に指先を近づけると、大抵猫は鼻を指先につけてニオイを嗅ごうとします。猫の鼻先が指に触れたタイミングで、「タッチ」と声を掛けてご褒美をあげてください。それを繰り返すうちに、「タッチ」と声をかけただけで、少し離れていても指先に鼻タッチをするようになるでしょう。
これを応用すれば、愛猫を目的の場所まで上手に誘導できるようになります。
要塞遊び
小さなお子さんが、公園の遊具などを秘密基地に見立てて遊ぶのと同じような感覚で、愛猫のために空き箱を利用して要塞を作り、自由に隠れたり中を探ったりして遊んでもらいます。
時々箱を変えたり、入り口の位置や大きさ、形などを変えることで変化をつけ、新しい刺激を与えましょう。見知らぬ場所を探索する欲求を満たすことのできる遊びです。
まとめ
知育トイの中には高額製品も多く、初めて与える際に「ちゃんと遊んでくれるだろうか」と心配になる飼い主さんも多いと思います。脳は活性化すればするほど賢くなっていきますので、知育トイもそれぞれのレベルに合わせて難易度が異なります。
そのため、愛猫のレベルに合っていない製品を選んでしまうと、簡単すぎたり難しすぎたりですぐに飽きてしまい、遊んでくれません。知育トイを導入する際には、愛猫のレベルに合った製品を探すことが大切です。
また知育トイは、留守中などの猫がひとりきりの時に与えることが多いです。常に状態のチェックを怠らないようにして、壊れて外れてしまった部品を誤飲してしまうといった事故が起きないように注意しましょう。
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