猫の基本の色と柄
ここでは、猫の基本的な毛色や柄のパターンについて詳しく見ていきましょう。
ベースとなる毛色
猫の毛色は主に以下の8種類に分類されます。これらの毛色がベースとなり、柄のパターンや遺伝子の影響でさまざまな模様が生まれます。
- 白
- 黒
- グレー(灰色)
- キジトラ
- サバトラ
- サビ
- 茶トラ
- 三毛(ミケ)
柄のパターン
猫の柄は毛色に加えて、模様のパターンによってさらなるバリエーションを生み出します。主に以下の4つに分類されます。
- 全身模様:体全体が単色または模様で覆われているタイプ
- 白混ざり:毛色の中に白が混じるパターン。足や顔に白が現れることが多い
- トビ柄:白い毛が広範囲に分布し、他の色が「飛び飛び」に現れる模様
- 薄模様:薄い縞模様やぼんやりした柄が特徴
猫柄に関する3つの秘密
猫の柄がどのようにして生まれるのか、その秘密を3つに分けて解説します。
猫の模様は、遺伝子の働きによってさまざまなパターンが生み出されます。それに加えて、性別や環境、歴史が大きく影響を与えているのです。
1.猫柄を決める魔法の設計図とは?
猫の柄を決める鍵は、遺伝子という「魔法の設計図」にあります。
猫の毛色や模様は、いくつかの重要な遺伝子によって決まります。なかでも、毛の色を司る遺伝子と模様を作り出す遺伝子が大きな役割を果たしています。
猫の毛色と模様を生み出すために、最も重要な役割を果たすのが色素遺伝子と模様遺伝子です。
色素遺伝子は、毛の色を決定します。主に、2種類の色素「ユーメラニン(黒色)」「フェオメラニン(赤色)」が関わっています。
模様遺伝子は、トラ柄やサバ柄といった模様の配置を決めます。具体的には、「タビー遺伝子」と呼ばれるものが模様の形を支配しています。
2.性別が決める、サビ柄と三毛柄の神秘
猫の模様のなかでも、サビ柄や三毛柄は特にユニークで、性別によってその発現が決まるのが特徴です。
これらの模様は、性染色体(X染色体)の遺伝子に強く関係しています。そのため、三毛柄のほとんどがメスであり、オスの三毛猫は非常に珍しい存在です。
三毛猫がほぼメスしかいない理由は、性染色体と毛色遺伝子の関係にあります。
猫の性別は、X染色体とY染色体の組み合わせで決まります。メスはXX、オスはXYの性染色体を持っています。そして、三毛柄を生む毛色遺伝子はX染色体上に存在します。
毛色遺伝子が2つあることで、赤系と黒系の色素が同時に発現し、三毛柄が形成されるのです。この仕組みにより、三毛柄はXX(メス猫)に特有の模様となります。
サビ柄は、三毛柄の一種ですが、白が入らないため黒と赤だけで構成されています。
サビ柄の猫も、三毛柄と同じく性染色体とX染色体上の毛色遺伝子に影響を受けています。ランダムなX染色体の不活性化により、黒と赤が混ざり合ったような模様になるのです。
3.自然と歴史が育んだ猫柄アート
猫柄の多様性は、自然の進化や人間による品種改良の歴史によって育まれました。
野生の猫が持つ模様には、環境に適応するための役割があります。一方で、品種改良によって特定の模様や色が選ばれ、美しさや個性を追求した結果も多く見られます。
野生の猫が持つ模様には、主にカモフラージュ(隠れ蓑効果)としての役割があります。
特に、ジャングルや草原など、自然環境で捕食者や獲物から身を隠すために、模様が発達してきました。この模様が、現代の家猫にも受け継がれています。
また、人間による品種改良は、猫の模様にさらなる多様性と美しさを与えました。
特定の模様や毛色を持つ猫を選び繁殖させることで、現在の美しい猫柄が作られています。この過程では、自然界には存在しないような特徴的な模様や色も生まれました。
まとめ
猫の毛柄には、自然界の進化の知恵、人間との共存の歴史、そして遺伝子の神秘がぎゅっと詰まっています。
一匹一匹が持つ模様は、それぞれの猫の個性そのもの。次に猫を眺めるとき、その毛柄に隠された物語を思い浮かべてみてください。
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