1.下痢や嘔吐などの原因になる
ウエット、ドライにかかわらず、キャットフードは、封を切った瞬間から酸化が始まります。
酸化の問題点は、フードに含まれる脂質が「過酸化脂質」に変わり、有害性を持つことです。「過酸化脂質」は、フードの品質劣化につながるだけでなく、猫にとって、下痢や嘔吐を引き起こす要因にもなります。
さらに、人間と同様に、酸化したフードが老化の進行を早める可能性があることも、あわせて覚えておきたいところです。
封を開けてから食べきる期間の目安としては、ドライなら1ヵ月以内、ウエットは劣化のスピードが早いため、できればなるべく早く、1~2日以内が理想的です。
見た目の変化としては、ドライフードが酸化した場合、粒の色が変わったり、ベタベタしたり、油っぽくなります。
ドライ、ウエットともに、食べかけを出しっぱなしにしておくと、猫の唾液により雑菌が繁殖するので、酸化したフードは潔く処分するようにしましょう。
2.せっかくの栄養分が台無しに
健康面での悪影響は、「過酸化脂質」だけではありません。フードの酸化によって、豊富に含まれているはずの栄養分が薄れてしまうのも、大きな問題です。
総合栄養食であれば、具材の肉類をはじめ、アミノ酸、脂質、ビタミン類など、さまざまな栄養素が入っています。どれも猫が健康に暮らすために欠かせないものです。
しかし、ひとたび開封してしまえば、酸化が進んでいくうちに、もともとあった栄養価が徐々に失われていきます。
栄養面で劣化したフードを食べ続けると、十分な食事量にもかかわらず、栄養不足に陥る、という矛盾が起こります。これでは何のための食事なのかわかりません。そのまま習慣化すれば、やがて愛猫は栄養不良になってしまいます。
とりわけ、関節炎や腎臓病予防、毛ヅヤ向上に効果のあるオメガ3脂肪酸は、酸化しやすい成分のひとつです。
3.食いつきが悪くなる
開封直後はガツガツ食べてくれたのに、日にちが経つにつれ、だんだん食べなくなる。愛猫の食いつきの悪さは、もしかすると、フードの酸化が原因かもしれません。
フードに含まれる脂質は、「過酸化脂質」に変わると同時に、「酸化臭」を発生させます。人間の鼻では感知できなくても、猫の臭覚は「酸化臭」を鋭く嗅ぎ分けます。
猫は、まず匂いを嗅いで、目の前のフードを食べても良いかどうか、判断します。猫にとって好ましい匂いであれば、もちろん、食いつきも良好です。ところが、フードから「酸化臭」を嗅ぎ取ると、異変を感じ、とたんに食べなくなります。
食いつきが鈍くなれば、栄養が足りずに、最悪の場合、体調を崩しかねません。愛猫の健康維持のためにも、常にフレッシュなフードを提供することが大切です。
酸化を防ぐための対策とは?
キャットフード保存の基本をおさらいしておくと、以下の通りになります。
- 空気になるべく触れさせない
- 直射日光を避ける(冷暗所に保管)
- 湿度の高い場所には置かない
ちなみに、冷蔵庫内での保存については、結露の影響で湿気たり、カビの原因につながるので避けたほうが賢明です。
キャットフードの酸化を防ぐ意味でも、フードストッカーなどの「密閉容器で保管する」「真空パックの利用」「脱酸素材や乾燥剤の活用」などの対策が有効です。
もし可能であれば、小分けサイズの使いきりフードを選ぶと、酸化を気にせず、愛猫のためにいつでも新鮮なものを用意できます。
まとめ
当たり前のことですが、猫の身体も食べ物によってできています。身体に害のあるものを食べれば、体調を崩し、やがては深刻な病気になってしまいます。今回の記事では、酸化したフードの危険性について解説しました。
結論から言うと、酸化したフードは、食いつきが悪くなるうえに、栄養価も低下し、さらに猫の消化器系トラブルや病気にもつながる可能性があります。健康上良いことは何もありません。
猫との末永い暮らしのためにも、常日頃からフードの保存には十分に気をつけましょう。
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