1.安心しきっている
猫が仰向けにごろんと寝転がって眠る状態のことを、俗に「ヘソ天」と言います。
お腹をさらし、ベターッと伸びきった姿は、緊張感やストレスもなく、自分自身が猫であることを忘れているかのようです。風邪を引かないように、ポンポコお腹にちっちゃな布団をかけてあげたくなります。
とてもかわいらしい「ヘソ天」ですが、猫の祖先・リビアヤマネコ翁から言わせれば、「おぬし、野性を忘れたか!」とお叱りを受けそうな状況です。
野生時代の猫は、まわりは敵だらけで、一瞬でも油断すると、命に関わる過酷な環境で暮らしていました。とりわけ、リスクが高いのは、食事中と睡眠時です。いつにも増して用心しなければなりません。「ヘソ天」なんてもってのほかです。
ひるがえって、現在の飼い猫はと言うと、たとえ急所であるお腹を堂々とさらして眠っても、襲ってくる天敵もいません。万が一、何らかの危険が差し迫っても、頼りになる用心棒・飼い主さんが追っ払ってくれます。
猫が「ヘソ天」状態で眠れるのは、猫にとって100%リラックスでき、現在置かれた環境に心の底から満足している証拠です。
「ヘソ天」は、ヘソを天井に向ける、文字通りの意味だけではなく、心地よすぎて天まで登りそうな気持ち、ということも表しています。
2.信頼しきっている
猫はもともと警戒心が強い動物です。程度の差はあれ、飼い猫でも自前のセキュリティシステムを持ち、ありとあらゆる危機に備えています。
そんな猫が、不安や心配事もなく、ただひたすら安心しきって「ヘソ天」できるのは、飼い主さんのことを信頼しているからです。
毎日の美味しいごはんや快適なトイレ、冬でもポカポカな寝床など、愛猫のために、飼い主さんが申し分のないものを用意してくれます。そのきめ細やかな対応ぶりは、愛猫も大いに感心するほどです。
飼い主さんの深い愛情にかかれば、野生由来のセキュリティシステムも、「8343(やさしさ)」の暗証番号一発で全解除です。
開放された「ヘソ天の原」では、心地よい風に黄色い花が揺れ、虹色レジャーシートの上で家族連れがお弁当を楽しみ、端っこのほうで親子鹿が静かに芝生を食んでいます。運が良ければ、夜空のふみふみ座流星群と巡り会えます。
愛猫の平和な暮らしが続くのも、信頼できる飼い主さんのおかげです。いや、飼い主さんからすれば、「こっちこそ、いっしょにいてくれて、ありがとね」と感謝したくなることでしょう。
3.アチいから
一般的な傾向で言うと、猫は暑がりで寒がりです。猫の通常体温は、人間よりも2度ほど高い38度ぐらい。もともと砂漠で暮らしていた動物だけに、特に寒さが苦手ですが、暑さもやはり困りものです。
夏場に、愛猫が頻繁に「ヘソ天」で寝ているのは、体温調節の一環としてやっている可能性があります。人間と違って、猫はあまり汗をかきません。猫の身体で汗をかくのは、肉球と鼻ぐらいです。
汗によって熱を放出できないと、当然、体内にこもったままになります。そこで猫は、お腹にこもりがちな熱を逃がすため、「ヘソ天」でごろんと寝転がります。
普段はのんきな「ヘソ天」に気だるさが漂っていたら、「ニッポンの夏はアチいな…」とボヤいている証拠かもしれません。
まとめ
今回は、天井知らずのかわいさ、「ヘソ天」について、心理面からアプローチしてみました。キーワードは、「安心感」「信頼感」「体温調節」の3つ。
愛猫の「ヘソ天」は、今いる環境に満足している証であり、飼い主さんに向けての「誉めしぐさ」です。手放しで喜んでください。
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