1.大好物のおやつを用意する
クリッカーを使って猫に何かを覚えさせるためには、クリッカーの前に「猫の心を動かすもの」を用意する必要があります。猫には「学習しなければならない」や「練習しなければならない」という自主性はないので、文字通り「エサ」がないと動きません。
猫が欲しがるものであれば、食べ物ではなくオモチャでもよいですが、トレーニングに向いているのは、エサやおやつ。たとえば、イルカやアシカにショーを覚えさせるときにエサを与えるのと同じことでしょう。猫のトレーニングは、猫が欲しいものを得るための動作のうえに成り立っているからです。
おすすめのエサは、愛猫が大好きなおやつがベスト。ただし少しずつ与えるため、大きなサイズのおやつは不向きなので、小さいおやつを選ぶか、あらかじめカットしておく方法もありますよ。
2.クリッカーの音に慣れさせる
クリッカーを使うコツは、まずはクリッカーの「カチッ」という音に慣れさせること。猫は聴力に長けている動物で、大半のことは耳で情報収集をします。よって、猫に「クリッカーの音がするときに良いことが起きる」と認識させるのが大切なのです。
クリッカーは誰が鳴らしても同じ音が出るため、どの飼い主さんでも「嬉しいことが起きるときの音」をすりこむことができるので、小まめに続けましょう。
3.「リアルタイム(最中)」に音を出すこと
クリッカーの音を「良いことが起きる」と、猫に認識させるコツは、即、音を鳴らすことです。
たとえば「お手」を教えたいのだとしたら、「お手」ができた直後におやつを与えるよりも、お手ができたジャストのタイミングでおやつを口につけてあげるのがベストというわけです。
ただし、猫を相手にいきなりお手を要求するのは高度なわざなので、はじめはペンを使うのがおすすめ。猫がにおいを確認するために鼻をペンにくっつけてきた瞬間にクリッカーを鳴らし、ほぼ同時にお気に入りのおやつを与えてあげましょう。
4.環境を整える
猫は聴覚が優れているだけに、大きな音やうるさい場所が苦手です。特に警戒心の強い猫は大きな音が鳴るだけで怖がりますし、ストレスとなります。
人間でも、騒音の中だと仕事や勉強に集中できないように、猫もうるさい環境は居心地を悪くするだけです。しかもクリッカーの音は、「良いことが起きる」ことをすりこまなければならないため、雑音は禁物なのです。
クリッカーを使うときは、静かな場所で猫と2人きりで行うのがおすすめ。できるなら同じ場所で行うと、より猫が安心するでしょう。ただし、いくら環境を整えたからといっても、トレーニングは長時間おこなわないこと。1回のトレーニングは5分を目安にしましょう。
5.クリッカーは隠しておく
トレーニングを習慣化するために、クリッカーを見えるところに置いておきたい人もいるかもしれませんが、これは逆効果です。なぜなら常に出しておくことで、なにかの拍子に「カチッ」と音が出てしまった場合、「音がしたのに何ももらえない」と猫が信用しなくなってしまうからです。
猫にとってクリッカーの音が「良い前兆」と認識されれば、クリッカーの収納場所も覚えるものです。猫にクリッカーを特別視してもらうためにも、普段は見えない場所に隠しておくのがよいでしょう。
まとめ
室内飼いのイエネコたちは、野生に生きてきた時代の猫たちよりも刺激が少ないものです。
そんな猫にとって、飼い主さんとのコミュニケーションツールとなるクリッカーは、楽しい時間。内容によっては、運動不足も解消でき、おいしいおやつももらえるという良いことづくしともいえます。
愛猫との楽しい遊び時間の一環として、クリッカーを取り入れてみてはいかがでしょう。
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