1.猫の「縄張り」とは狩場であり生活スペース
そもそも猫にとって縄張りとは、猫の狩場であり身を休めるためのスペースです。生きていくのに必要な獲物を狩るためには、当然獲物が多く身を隠せる場所が多い狩場が必要。そのため、縄張りという自分専用の狩場を確保し、そこで獲物を捕まえるのです。
一方、縄張りにはもうひとつ役割があります。それは自身の生活スペースとしての役割です。身を休めたりするには安全な場所が必要不可欠。特に猫の場合は単独で活動するため、自分の身は自分だけで守らなければなりません。そうした目的のためにも縄張りは機能します。
2.猫の「縄張り」は2つに分類される
縄張りには2つの役割があると前述しました。それらの縄張りは2つに分類されます。
まず、獲物を捕まえ食料を確保するための縄張りを「ハンティングテリトリー」といいます。範囲は個体差がありますが、獲物が少ない地域だと広範囲のハンティングテリトリーを持つようになるとされています。
もうひとつ、自分の身を隠し体を休めるための縄張りは「ホームテリトリー」と呼ばれています。ハンティングテリトリーと比較すると範囲が狭いですが、猫にとって自分の身の安全がかかっているので、かなり重要な縄張りです。
3.メスよりもオスの方が「縄張り」範囲が広い
実はメス猫よりもオス猫の方が縄張りの範囲が広いです。その理由は繁殖相手を探す目的も縄張りに含まれるから。メスの場合、縄張りは食料確保と自分の身を隠すことが役割となります。
しかし、オスはそれらに加えて交尾相手であるメスを探す役割もあるため、結果的に縄張り範囲が広くなるのです。
一説によると、オス猫はメス猫の縄張りを囲むように縄張りを広げることがあり、メス猫よりも3.5倍ほど範囲が広い縄張りを有するケースもあるようです。
4.室内飼育の猫にとって家が「縄張り」
近年普及している室内飼育の場合、猫の縄張りは家の中全体が対象となります。
本来であれば、狩場であるハンティングテリトリーを持つ猫ですが室内飼育では飼い主さんが食料を確保してくれるため、基本的に縄張り範囲は狭いです。
ホームテリトリーに関しては自分だけの居場所となるため、キャットハウスや部屋の隅など他の猫や飼い主さんと共有しない場所を指定するようです。
ちなみに猫は本来、広い縄張りを必要としません。生存に必要な条件さえ整っていれば、室内の中でもストレスなく生活することが可能なのです。そのため「室内飼育で縄張りが狭くなってかわいそう」ということにはなりません。
まとめ
今回は、猫にとって大切な「縄張り」に関する豆知識について解説しました。
猫にとって縄張りは生きていくために大事なスペース。獲物を仕留める狩場や身を隠すための役割を担っています。
そしてそれは、室内飼育の場合も同じです。猫が安心して過ごせる居場所を作ってあげることで、猫がストレスなく暮らしていけるようになります。
小さい居場所でもいいので、猫専用の隠れ家を「縄張り」として活用できるように用意してあげてみてください。
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