猫の「噛み癖」は治すために試したい対応策
猫は生粋のハンターなので狩猟本能を持ち、本来であれば果敢に噛み付く能力が評価される動物です。そして、時に「甘噛み」といって、甘える手段として噛み付く本能も持ち合わせています。
言わば猫は「噛むことが当たり前」なのですが、人間との共同生活においてはトラブルに発展するケースもしばしば。
そこで今回は、猫の「噛み癖」は治すために試したい対応策について詳しく解説いたします。
1.手足をおもちゃ代わりにしない
猫と遊ぶ際は必ずおもちゃを用いて、人の手足に戯れる習慣をなくすように心がけてください。仮に甘噛みであっても噛み付いた場合は「ダメ!」「痛い!」と根気強く注意するようにしましょう。
この方法は、遊び盛りの子猫や人馴れしていない猫、母やきょうだいとの別離が早かった猫に有効です。
猫は本来であれば、きょうだい同士で喧嘩ごっこをする過程で力加減を学びます。その機会を逃してしまった猫は、敵味方関係なく噛み付く強度が増しやすいので、適切な教育を行う必要があるのです。
2.目を逸らして距離を取る
猫は、降参を認めた相手を深追いすることはありません。その合図が、目を逸らす行動です。愛猫のそのサインが見られたら、顔を背けて目線を外し、ゆっくりと後退りをして距離を取りましょう。
これは、主に猫が興奮している時に有効な手段です。
たとえば、猫が物音に驚いた時や、他の猫がイタズラをしてとばっちりを受けた時、もしくはイライラしている時などです。
このように、猫も時々八つ当たりをすることがあることを覚えておきましょう。このケースでは、下手に声を発すると、更に猫を興奮させてしまう恐れがあります。
すなわち、猫が興奮した際に、噛もうとする前にすばやく距離を取って降参を認めた形にすることで、愛猫に噛む行為に発展させないようにすることができます。その結果、今までは嚙むことで達成感を得られていたが相手が降参するなら噛む必要がない、と学ぶことで、自然と噛む状況が減っていく可能性があります。
若干の敗北感が気になるところではありますが、怪我を防ぐことが最優先となるため、あえてこちらが負けた振りをして愛猫が落ち着く時を待ちましょう。
3.布を被せる
気が立ったまま落ち着かないケースや、爪切りやブラッシングなどのお手入れをする際は、布を被せる方法がおすすめです。あらかじめ布に母猫のフェロモンに似た香りのスプレーを噴射させておくことも有効な手段です。
特に、猫が抵抗することが予想されるお世話に関しては、嫌がっても引くわけにはいかないのでこの方法を取ると良いでしょう。
とはいえ、もちろん限度があります。爪切りの場合は一度に全ての爪をカットしようとはせずに、数日間に分けて行うことも検討してみてください。
布を被せることが「噛み癖」を直すことに直結するわけではありませんが、お手入れのときだけ暴れて噛まれる…という場合には有効だと思いますので試してみてください。
4.小道具を用いてスキンシップを取る
全く人馴れしていない猫を保護した場合や、人間に対してトラウマがある猫と接する時は、小道具を駆使すると良いでしょう。
特に、いわゆる「孫の手」は活躍します。撫でる時は孫の手の先端に歯ブラシを取りつけ、ブラシで優しい撫でてみてください。ザラザラとした質感が母猫を彷彿とさせて心地よく感じてもらえます。
おやつをあげる際は、孫の手の甲にペースト状のおやつを塗って近づけます。舐めてくれたら徐々に柄を短くして距離を縮め、どさくさに紛れる形で直接手でおやつを食べさせます。
撫でる際の距離感も同様に行いましょう。人に対する警戒心や恐怖心を払拭させることができれば、自ずと噛み癖が抜けていくでしよう。やはり根気強く向き合うことが大切です。
5.診察を受ける
特定の場所に触れた時だけ噛み付いてくる場合や、急に攻撃性が増したケースでは、何らかの病気が隠れている可能性が高いでしょう。
拒否する部位や、行動の変化などを観察し、可能であれば動画に収めておいてください。これらの情報を持ち合わせたうえで、一度診察を受けるようにしましょう。
特になんの前触れもなく噛み癖がつき、怒りっぽくなる病気の具体例としては甲状腺機能亢進症・脳腫瘍・認知症などが挙げられます。甲状腺の病気に関しては投薬治療も有効なため、早めの受診が好ましいでしょう。
明らかに怪我をしている場合や、触れると痛がって攻撃してくる場合もやはり、遅くとも翌日には診察を受けてください。
まとめ
今回は、猫の「噛み癖」は治すために試したい対応策について解説しました。
まだ猫生経験が浅い子猫に関しては、「痛い」「ダメ」という言葉も積極的に教えましょう。噛み付いたら一度無視をして遊びを中断するという方法も取り入れてみてください。
仮に子猫でも、虐待を受けたケースでは恐怖心を取り払うことが最優先になります。自身の身を守るために噛みつこうとしているため、まずは人馴れの訓練をして人畜無害な存在だとアピールしてください。
「噛み癖」に対する対応策は、原因によって有効な手段が異なります。まずは「噛み癖」がついてしまった原因を探り、冷静に対処することが重要です。また、いかなる理由があっても、暴力は絶対に振るわないでください。
細心の注意を払っていても万が一噛まれてしまった場合は、速やかに傷口を綺麗な水で洗い流し、念の為病院へ行ってください。特に抵抗力の弱いお子様や、高齢者は重症化するリスクがありますので気をつけましょう。
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