5年間ずっとパブで暮らす猫
英国Birminghamにあるパブ「The Wellington」には、この5年間ずっと2匹の猫が住み着いていて、お客さんたちのアイドルになっています。「Malt」と「Hops」という名前の黒猫とトラ猫です。
しかしこのパブを経営する親会社であるビール醸造所「Black Country Ale」は最近、店の改造を機に猫たちをパブ店内から「追い出し」て、新しい飼い主を見つける決定をしました。これが顧客の大反発を招いています。
同社の広報は次のように発表しています。
「猫は自由気ままに行動するもの。多くの人々がそんな猫との時間を楽しんできたことは理解しています。でも2匹を屋内に閉じ込めたままにするのは、衛生的にも問題があります。常識的に考えても、ビールやサンドイッチを店内で猫と一緒に食べるなんてよくないことです。今後当社では、2匹が一般家庭で幸せに暮らしていけるよう最大の努力をいたします」
顧客は決定に反発
これに納得できない常連客たちは、SNS上で反対意見を表明しています。
ある人は「顧客の声を露骨に無視している」とし、当面はこのパブを利用しないと宣言しています。別の人は「5年もたってから追い出すなんて、すごく冷酷だ」と述べています。
国内のパブ巡りツアーを催行している「The Great British Pub Crawl」社の共同経営者Dale Harveyさんは、今回の決定を「誤った判断」だと指摘し、「考え直すべき」と強く主張しています。
ほかにも大勢の顧客が「ひどくがっかりした」「猫たちはとてもかわいいのに残念」と投稿しています。
猫のいるパブは特別な存在
Daleさんはこう続けます。
「正直に言って、今回の決定には愕然としています。ここは訪れるたびにかなり高く評価していたパブだったので、本当に残念です。仕事で英国中を旅していますが、ちゃんとしたパブ在住の猫がいるところは多くありません。猫がいることで、パブは特別な魅力を増すのです」
「だって考えてもみてください。猫カフェは猫たちが店内で暮らしながら、お客さんに飲み物や食べ物を提供することで運営されています。どうしてパブが同じことをしたらだめなのでしょうか」と彼。
パブの従業員からも愛されている猫たち。いまでは店の「家具の一部」だと感じている人々も多いのです。Facebook上には、今回の決定に反対するチラシも投稿され、猫に好意的なレビューが紹介されています。
猫をめぐる論争は、しばらく続きそうです。
出典:
・Pub cats to be permanently rehomed, brewery says
・Anger over plans to remove cats from pub
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