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猫の『歯みがきをしない』3つのリスク お口のケアは全身の健康につながる!


歯みがきをしないリスク3つ

歯ブラシをよける猫

猫の歯みがきは、猫も飼い主も慣れていないうちは、面倒に感じるかもしれません。しかし、そのまま歯みがきをせずに、愛猫の健康を損なう方が大きなデメリットになります。

ここでは、猫の歯みがきをしないことで陥る3つのリスクについて見ていきましょう。

1.歯垢・歯石による口臭

数日間猫の歯みがきをしないと、口臭が気になることがあります。しかし、この状態がずっと続いている場合、ニオイだけでなく口の中の環境も悪くなってしまいます。

口臭の原因は、歯垢や歯石の蓄積による細菌の増殖です。歯垢は細菌の塊で食べカスなどのタンパク質を分解するときに、「硫化水素」や「メチルメルカプタン」という悪臭の原因物質を作り出します。

また、猫はグルーミングをする際に、全身に唾液をつけてしまいます。もし、「猫の体がくさい」ことがあれば、歯みがきをしていないことが原因かもしれません。

2.口腔疾患の原因になる

猫の口腔疾患にはさまざまな原因があり、感染症をはじめ遺伝的要因や免疫異常からの病気(歯根吸収病巣など)によって、歯茎や歯肉に炎症が起きてしまうこともあります。そのなかでも、歯垢・歯石の付着による歯肉炎は飼い主が予防できる病気です。

歯垢や歯石がたまってくると歯茎に炎症を起こします。

歯石になると容易には除去できず、歯と歯茎の間には悪環境が維持されてしまいます。その結果、歯肉の腫れや出血が起こり、痛みで食事がとれなくなることもあります。さらに悪化すると、次第に歯がグラグラしてきて、歯が折れたり抜けたりする危険につながるのです。

3.全身への悪影響

不健康な口腔環境は腎臓や心臓へのリスクを高めます。特に歯周病によって腎臓がダメージをうけることがわかっています。

これは口の中の細菌が血管に入り、全身に広がることが原因です。心臓や腎臓は血液が多く流れる臓器の代表です。細菌を含んだ血液が流れることで、炎症や機能低下を引き起こす可能性があるのです。

猫の歯みがきは単なるデンタルケアではなく、健康な体を守るために重要なのです。

猫の歯みがき方法

歯みがきされる猫

歯みがきをはじめるのは、できるだけ猫が「小さいうち」がよいでしょう。「うちのコはもう大きいから無理!」とあきらめずに、すこしずつ練習してみてください。

まずは、指で猫の口や歯に触れることからはじめます。猫がリラックスしているときを選んでください。

最初は、口角を触るくらいはできるかもしれませんが、くちびるをめくるあたりから嫌がるかもしれません。無理せずできるところから少しずつ始めるのがコツです。おいしいご褒美を用意して、1回触れたら1口ご褒美をあげ、口に触られるのは良いことだと覚えさせましょう。これには、何週間かかっても大丈夫です。

猫が歯を触られることに慣れてきたら、歯ブラシを使います。片手で猫の頭を軽く支えます。もう片方の手で、猫のくちびるを持ち上げます。45度の角度で歯と歯肉の境目に歯ブラシを当て、小さくクルクルと円を描くように優しくブラッシングします。

歯ブラシは水をつけるだけでも良いですが、猫用のデンタルペーストを使うと効果的です(ペット用は犬向けのものも多いため、フレーバー選びに注意してください)。絶対人用の麻磨き粉は使ってはいけません!

ブラシを使った歯みがきができるようになるまでは、デンタルケア用フードやおやつなども上手に併用しましょう。

最初は全然できないかもしれませんが、猫は必ず慣れてきます。すこしずつしっかりと磨けるようにしていきましょう。

まとめ

お口をチェックされる猫

猫の歯みがきは、単なるお口のケアだけでなく、全身の健康を左右するとても大切な習慣です。

歯みがきをせずに放置してしまうと、歯垢・歯石をためこんでしまい、結果的に内臓をむしばむ危険も出てきます。

たしかに、猫を抱えて歯みがきするのは、とてもむずかしく感じるでしょう。しかし、日々のブラッシングや爪切りをこなしている飼い主さんなら絶対に大丈夫です。

「絶対に磨くぞ!」と力まずに、心に余裕を持って猫に接することが大切です。歯みがきという新しい遊びをするような感覚で取り組むと良いかもしれません。

愛猫が元気に長生きしてもらうためにも、歯みがきの習慣を続けてあげましょう。


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