猫の『毛柄』のバリエーションが豊富な理由3選
猫の毛柄がバリエーション豊富な理由には、主に次のようなものがあります。
1.遺伝的多様性
猫の毛柄は主に遺伝子によって決定されます。遺伝子の組み合わせによって、親猫から子猫へとさまざまな毛柄が受け継がれるのです。
またそれぞれの遺伝子には強さがあって、両親が持っている遺伝子の組み合わせで強いほうの遺伝子の色が、子どもの毛柄になります。
たとえば親が白の遺伝子(W遺伝子※W遺伝子はたくさんの遺伝子のなかで、もっとも強い)を持っていると、片方の親が黒猫でも子猫は白猫になります(※黒色の遺伝子よりもW遺伝子のほうが強いため)。
こうして猫の交配が進むにつれて新しい遺伝子の組み合わせが生まれ、これが毛柄の多様性をさらに広げているのです。
2.突然変異
遺伝子の突然変異も猫の毛柄のバリエーションを増やす重要な要因です。
突然変異とは、なんらかの影響により遺伝子が変化したり、染色体に異常が生じたりする現象のことをいいます。
この突然変異により、新しい毛柄や色のパターンが生まれることが多いです。たとえば茶トラはキジトラの突然変異で生まれたり。
このように突然変異によって既存の毛柄とは異なる新しいパターンが登場し、猫の毛柄はさらに多様化するのです。
最近発見された「サルミアッキ」柄(※後述します)も、このような突然変異の結果として誕生したといわれています。
3.人間の品種改良
人間による品種改良も猫の毛柄の多様性に大きく寄与しています。
特定の毛柄や色を持つ猫を意図的に交配させることで、望ましい毛柄や色の猫を生み出します。
このような選択交配は、ペットとしての猫の見た目を魅力的にするだけでなく、新しい毛柄を生み出すことにもつながっているようです。
猫の毛柄の決まり方は?
猫の毛柄の決まり方は、ズバリ「遺伝子」によって決まります。
親猫から受け継いだ遺伝子情報によって、毛の色素の種類や分布が決定され、それが毛柄としてあらわれるという仕組みです。
複雑な遺伝子の組み合わせで、猫の毛柄を織り成していくんですね。
たとえば代表的な色の遺伝子として、「A/a遺伝子(黒キジ/真っ黒)」、「S/s遺伝子(お腹を白くする/しない)」、「O/o遺伝子(茶キジ入る/入らない)」「W/w(全身を真っ白にする/しない)」などがあります。
これらの遺伝子の組み合わせによって、単色、キジトラ、サバトラ、バイカラー、ポイントカラーなど、さまざまな毛柄が生まれるのです。
親から受け継いだ遺伝子によって、まるで自然が生み出した芸術作品のように、猫ごとに全く異なる毛柄があらわれます。
猫の毛柄は全部で何種類あるの?
猫の毛柄は、遺伝子の組み合わせによって非常に多様で、厳密な種類数は特定できません。しかし、代表的な毛柄だけでも23種類あるといわれています。
まずベースとなるのが、
- 白
- 黒
- ブルー
- 茶トラ
- キジトラ
- サバトラ
- 三毛
- サビ
これに加えて模様の要素が加わります。
- 全身模様
- 白混ざり(ブチ)
- トビ柄(白が多いブチ)
- 薄模様
これらの要素が組み合わさって、猫の毛柄は大きくわけて24種類あるといわれています。ほかにもポイントテッド柄やタビー柄など、珍しい柄も有名ですね。
新しい毛色「サルミアッキ」とは
「サルミアッキ」という毛柄をご存じでしょうか?この毛柄は最近登録されたもので、突然変異によって2007年にフィンランドで誕生しました。
気になる毛柄ですが、ベースはハチワレで毛先に向かって白くなり、白い部分が斑点になっていたり三毛になっていたりするようです。
なおサルミアッキとは、フィンランドのリコリス菓子のこと(日本では「世界一まずい飴」といわれているのだとか…)。
黒地に白い斑点模様がある毛柄が、お菓子に似ていることからこの名前が付けられました。
非常にユニークでぜひ本物を見てみたいものですが、レア毛柄のため簡単にお目にかかれる機会はなさそうです…。
まとめ
猫の毛柄のバリエーションが豊富である理由は、遺伝の影響・品種改良、そして遺伝子突然変異の3つにあります。
これらの要因が組み合わさることで、猫は多様な毛柄を持つようになりました。
また猫の毛柄の種類は非常に多岐にわたり、それぞれが独自の魅力を持っています。ぜひ今回紹介した情報をもとに、さまざまな猫の毛柄をウォッチングしてみてくださいね♪
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