1.豆まき用の大豆は消化不良の原因になる
実は大豆の成分だけを見れば、猫が食べても問題視する点はありません。大豆は一部のキャットフードでは、原材料として配合されていることもあります。
しかし、豆まき用の炒り大豆は、猫が食べないようにした方が良いでしょう。
炒り大豆の皮はパリパリと剥がれることからもわかるように、薄いプラスチック片のように硬く、胃腸の強くない猫では十分に消化できません。人間でも消化の面から、一日50粒が限度目安なので、単純に体重で考えれば猫なら3粒が限度です。
未消化が少量であれば、便と混ざって排出されることもありますが、おなかが繊細な猫の場合は下痢を引き起こす可能性があります。
また、猫は食道で異変を感じると吐出するので、硬い炒り大豆は吐き戻しの原因になることがあります。
2.誤嚥による窒息の危険
節分の豆は、誤嚥によって喉や気管に詰まることによる窒息、肺炎や気管支炎などを引き起こすリスクがあり、とても危険です。
大豆は小さくて丸く、人間の子供でも気管に詰まる可能性があります。猫は本来慎重に食べ物を選び、飲み込めるものしか飲み込まないので、誤食や誤嚥はしづらい動物ではあります。
しかし、炒り大豆は香ばしいニオイがすることや、コロコロと転がって夢中になって捕まえてしまうことから、好奇心旺盛な猫が落ちた豆を次々と食べてしまうということもあります。
もし豆の誤嚥で窒息してしまったときには、飼い主が即座に異物除去や気道確保などの救命処置をしなければ命にもかかわりますが、家庭で適切な気道確保を行うことは困難です。猫が誤って食べてしまうような原因を作らないことが重要です。
3.思わぬアレルギー症状の発症
これまで日常的に大豆類を口にしていなかった猫が、豆まき用の大豆をうっかり食べてしまうことで、思わぬアレルギー症状が発症する可能性があります。
大豆成分は、猫が食べるものとして有毒性はありません。しかし、個体差により食物アレルギーのリスクがある食品です。
猫の大豆アレルギー症状には、以下のようなものがあります:
- 皮膚症状::頭部や首、耳、おなかなどに赤み、かゆみ、発疹など
- 消化器症状:下痢(軟便)、嘔吐、腹痛、食欲不振など
- 呼吸器症状:くしゃみ、鼻水など
アレルギーを発症した場合、身体をしつこく舐めたり噛んだりすることで気付くことが多いようです。しかし、ケースによってはアナフィラキシーショックが起こる可能性も考えられます。
アレルギーを発症させないためにも、特に必要ないものは口にさせないことも大切です。
猫にも安全な豆まきの方法
節分の豆が猫にとって危険なのは、食べてしまうことです。猫がいる場合は、以下のような安全な方法で豆まきをしましょう。
猫を別の部屋に隔離する
まいた豆を猫が誤飲してしまうと危険ですし、オニ役を決めて豆まきをするときは、足元に猫がウロウロしていたらぶつかってしまうなどの危険もあります。
愛猫も一緒に過ごしたいかもしれませんが、別の部屋で待っていてもらう方が安全かもしれません。
殻付き落花生や小袋入りの豆を使う
雪が多い一部の地方では、節分の豆まきには殻つき落花生を使うとのこと。外にまいたときに、大豆よりも見つけやすい落花生が使われるようになったそうです。
殻付き落花生であれば一口で誤飲することはあまり考えられませんし、なにより、拾うのが簡単なので拾い忘れがないことも安心です。
同じ理由から、最近では小袋入りの豆を使用するところもあるようです。
もちろん、落花生の殻や袋を猫に持っていかれて誤食されるなどの事故がないように気をつけてください。
ドライフードで代用
「豆まきはやるけど、大豆にはこだわらない」という人は、思い切って猫仕様にキャットフードで代用してしまう手もあります。
床に落ちたものがキャットフードであれば、猫が食べてしまっても安心ですね。豆まきの雰囲気を損なわずにできるので、猫と一緒に行事を楽しむには効果的な方法でしょう。
もちろん人間が食べる用の豆は、別に用意しましょう。
まとめ
この記事では、節分の豆が猫にとって危険な理由と、安全に豆まきをするためのアイデアを紹介してきました。
猫にとって豆まき用の豆が危険である主な理由は誤食誤飲です。
- 消化不良
- 誤嚥による窒息
- アレルギー
などが危険な要因です。
もし愛猫が了承してくれるなら、別の部屋で待っていてもらうのが安全です。
いっしょに豆まきをしたい場合は、豆まき用の炒り大豆を落花生や小袋入り、あるいはキャットフードに変更してしまう方法もあります。
せっかく日本の伝統行事ですから、猫も人も安心できる方法で楽しむようにしましょう。
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