猫のヒゲの役割
猫のヒゲは「触毛」とも呼ばれ、根元には神経が通っており、外部からの刺激を感知する働きがあります。そんな猫のヒゲは、主に以下の3つの役割を果たしています。
距離感や方向感覚をつかむ
猫のヒゲは顔の輪郭よりも長く生えているため、壁や物体にヒゲが触れたときにその距離や方向を感知することができます。
また猫は暗闇でもよく動くことができますが、これはヒゲを使って周囲の環境を把握しているためです。
物体の存在を感知する
猫はヒゲを使って物体の存在を感知しています。たとえば狭い隙間や小さな穴に潜ろうとするときに、ヒゲを使って通れるかどうかを判断しているのです。
暗闇で獲物を捕らえる際にも、ヒゲを使って獲物の存在を感知しています。
空気の流れを感知する
ヒゲは微細な振動を捉え、周囲の空気の動きから情報を得ることができます。
これにより猫は風や物体の接近を感じ取り、障害物の些細な変化にも敏感に反応できるようになっているんですよ。
猫のひげを切っては行けない3つの理由
猫のヒゲを切ってはいけない理由は主に以下の通りです。
1.平衡感覚や空間認識能力が鈍化するから
先にも述べた通り、猫のヒゲにはさまざまな役割があります。
そのため猫のヒゲを切ってしまうと、平衡感覚や空間認識能力といった役割を果たせなくなり、日常生活に支障が出ることがあります。
たとえば壁や物にぶつかったり、高所や狭い場所でバランスが取れなくなったり、さらには暗闇で自由に動けなくなる問題も生じることがあるのです。
2.痛みがともなうから
猫のヒゲは「触毛」とも呼ばれ、根元には神経や血管が通っています。
体の毛(被毛)より深いところから生えているもので、強く引っ張ったり根元から切ったりすると強い痛みが猫を襲うことに…。猫がかわいそうなだけなので、絶対にやめましょう。
3.感情表現ができなくなる
猫はヒゲをつかって感情を表現することもあります。
たとえば興味があるものに対してはヒゲを前に出してみたり、反対におびえるときはヒゲを後ろに向けたり。
猫のヒゲを切るとこういった感情表現が十分にできなくなり、猫の心理的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
抜け落ちるのは大丈夫?
猫のヒゲは定期的に、約半年に一度のペースで抜け落ちます。これは、古い毛が新しい毛に生え変わるためです。
ヒゲが抜け落ちても自然と新しい毛が生えてくるので、抜け落ちたからといって心配はありません。
ただし抜け落ちたヒゲが大量の場合は、病気の可能性も疑いましょう。たとえば猫エイズや猫挫創(ニキビ)、大きなストレスが原因でヒゲが抜け落ちることがあります。
食欲の低下や風邪症状など、ほかに気になる症状がみられたら特に注意が必要です。
猫のヒゲを切ってしまったときはどうするべき?
猫のヒゲを切ってしまったときは、元に戻るまでの2~3ヵ月間は次のような対策を講じましょう。
家中の障害物を減らす
猫のヒゲが切れてしまうと方向感覚や平衡感覚が阻害されるため、障害物にぶつかる危険性が高まります。
そのため猫がぶつかる可能性のある障害物を減らし、安全に暮らせる環境を整えてください。
夜でもなるべく明かりをつける
猫は夜でも活発に行動することがありますが、ヒゲが切れてしまうと暗闇の中での動きが阻害される可能性があります。
そのため自動で付く電灯や豆電球を導入したり、月明かりが入るようにカーテンを少し開けておいたり、猫がヒゲがなくてもある程度周囲を把握できるような環境にしてあげましょう。
まとめ
猫のヒゲは、猫にとって重要な役割を果たす感覚器です。
そのため切ったり抜いたりしてしまうと、猫にとっては大きな「損失」となります。人でいえば「手さぐり」ができない状態と一緒です…。それってすごく怖いですよね。ですので、「ヒゲは抜かない・切らない」を覚えておいてください。
また半年に一度のペースで自然にヒゲが抜けるのは、問題ありません!ただ大量に抜け落ちた場合は、病気の可能性が否定できないため獣医師に相談しましょう。
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