「うちの猫はおもちゃを買ってあげても全然遊ばないんです。」
と相談されたことがあります。まさかそんな、と思いましたが、この「うちの猫は遊びません」という猫、結構多いようですね。
しかしみなさん、それはきっと誤解です。飼い主さんがそう思う理由は、きっと家の中をひたすら駆け回ったり、何かに夢中になって飛びかかることを「猫の遊び」だと思っているから。
猫にとって「遊び」は「動くこと」だけが重要なわけではありません。遊ぶ前の「準備」や「忍び寄る」ことも重要なプロセスの1つ。
まずは猫と遊びの基本ルールを3つご紹介しましょう。
■猫の遊びには「獲物」が必要です
部屋のあちこちにプラスチックでできたネズミやおもちゃを置いている、またたびを爪とぎに振りかけてあげる、もしかして、これを猫の「遊び」に適した環境だと思っていませんか?
猫を上手にあそばせたいなら、大切なのは「獲物」がいるかいないかです。チョロチョロ、カサカサ動く獲物が猫は大好き。どんなに小さな音でも、猫はさっとその音に敏感に反応しますよね。
まずは動く「おもちゃ」で猫がどんな獲物が好きなのかを見極めることが大切です。
あなたの愛猫は、トカゲやネズミなど、「地面を這い回る」獲物が好きなのか、それとも鳥や蝶のように空を飛ぶ獲物が好きなのでしょうか?
猫の好みは色々です。1つの場所から別の場所へ素早く移動できるような獲物が好きな猫もいれば、鳥のようなバタバタ動くような獲物は怖がる猫もいます。まずは愛猫がどんな「動き」に反応するかをチェックしてみてください。
■おもちゃの種類と遊ぶ時の注意
猫の喜ぶおもちゃの種類は主に4種類あります。
・一緒に遊ぶタイプのおもちゃ
人と猫が一緒に遊ぶタイプのおもちゃ。飼い主さんが狩りに似た遊びを猫に与えるおもちゃです。羽のついたスティックや紐の先に小さな獲物がついたおもちゃは、猫の「獲物を捕まえたい!」という本能に火をつけます。一番いオススメのおもちゃといえるでしょう。
・離れて遊ぶおもちゃ
投げて、猫に取ってもらうタイプのおもちゃ。キラキラ光るボールや、カサカサ音がするおもちゃ、ネズミのぬいぐるみなどがこのタイプです。
大抵、投げて遊ばせているうちにソファーや冷蔵庫の下の入ってしまい、大掃除の時に救出されます。
大きさによっては猫の誤飲につながる可能性もありますから注意が必要です。
・自分で動くおもちゃ
飼い主さんが楽で、猫も興奮する全自動タイプのおもちゃです。猫壱の大人気ベストセラー『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 2』がこのタイプのおもちゃです。
この自分で動くタイプのおもちゃ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 2』は、追う猫も楽しい、見る愛猫家も楽しい電動の猫じゃらし。ボタン1つで、3段階(初級・中級・上級)の速度設定が可能になっています。
視力のよくない猫ちゃんにも見えやすいように、羽根スティックの色は自然なカラーを採用。この羽スティックだけでも別売りで販売しています。
・レーザーポインター
壁に光る点を見つめて走る猫。レーザーポインターが大好き、という猫もいますが、これはおもちゃという観点から見ると、限界があります。
レーザーポインターは優れたおもちゃですが、獲物を捕まえる、という達成感が味わえないという欠点があります。
まずはレーザーポインターで遊ばせてから、他のおもちゃに目を向けさせる、というウォーミングアップのようなつもりで使ってみるとよいでしょう。
■猫の遊びは短時間でOK
猫は長距離選手よりは短距離走者。瞬発力は抜群ですが、長時間走る回される遊びはそれほど好きではありません。
猫の遊びは、「発見」から「捕獲」までが勝負。獲物をじっと見つめる時間も猫にとってはワクワクする時間です。
猫を遊ばせたいと思ったら、15分程度の短時間でも全然問題はありません。猫が暇そうにしている時間をちょっと埋める感じで、猫の興味を持続させる、短時間の刺激を与えてあげてください。
■最後に
猫の遊びのスタイルには、飼い主さんがおもちゃを渡しただけですぐに目の色を変えて飛びつく「スポーツカータイプ」と、最初は様子を見ながらチョイチョイするだけの、エンジンがかかりにくい「クラシックカータイプ」の2つのタイプがあります。
それでも、どんな猫も遊ぶことは大好きなはず。猫のタイプを見極めて、猫にあった遊びを与えてあげてくださいね。