『猫はこうして地球を征服した』の著者、アビゲイル・タッカーによれば、現在、世界中で飼われている猫は推定6億匹だといいます。
古代エジプトでは「神様」として、現代では「愛しい相棒」として人間の心を捉えて離さない猫。そんな猫を、愛してやまない世界の偉人・有名人たちは相当数に登ります。
職業的に見ると、作家、画家、音楽家といったクリエイティブな職業の人は猫が好きな傾向がある模様。
一体どれくらい猫好きとして名前を残した偉人・有名人がいるのか、ちょっと調べてみました。
■自宅を猫に寄贈したウィンストン・チャーチル
88歳の誕生日に茶トラのジョックという猫を贈られ、猫を溺愛していたのが元イギリスの首相、ウィンストン・チャーチルです。
彼は死後、自宅を英国政府に寄付する条件として、愛猫ジョックを永久に住まわせることを条件に提示したとか。
ユーモア溢れる性格のチャーチルですが、死後の猫愛もぬかりなかったようです。
■猫のためなら道を譲るエイブラハム・リンカーン
今でこそアメリカの大統領はホワイトハウスでペットと暮らすことが当たり前になっていますが、このペットをホワイトハウスに初めて持ち込んだのが、エイブラハム・リンカーン。
彼は常日頃から猫を溺愛し、部下に「猫を大事にしない奴は信用できない」
と語っていたとか。現在アメリカでは1億匹以上の猫がペットとして飼われていますが、これはエイブラハム・リンカーンの影響も少なからずあったのかも知れません。
■猫にお給料を払ったマーガレット・サッチャー
「鉄の女」という異名でイギリスを導いたマーガレット・サッチャーですが、彼女はどんな人でも仕事をできる人ならどんどん重大任務を与えて信頼していたそうです。
ある日、官邸の役人の一人が猫を拾い、ハンフリーと名付けて官邸内のネズミ獲りを任せました。ハンフリーは野良猫の本領を発揮してネズミ駆除の任務に励み、喜んだマーガレット・サッチャーはその功績を称え、年間100ポンドの政府給付金をハンフリーに支給したそうです。
■猫は家の一部 ジャン・コクトー
フランスを代表する芸術家、ジャン・コクトー。「私が猫が好きなのは、家で過ごすことが好きだから。猫はもはや家の一部。」
彼がおそらく猫好きインドア派の元祖かもしれません。猫と暮らし、仕事のインスピレーションを与えてくれる存在として猫を敬愛していました。
彼が製作した「美女と野獣」の映画の野獣のメイクは、彼の愛猫カルーンの顔からイメージしたそうです。
■ウィスキーと猫が友達 池波正太郎
「猫のいない生活なんて考えられない」と文章で発表した日本人は数え切れません。その中でも子供の時から常に猫を複数一緒に暮らしていたのが池波正太郎。
たくさんの猫の中でも、シャム猫のサムを溺愛し、毎晩一緒にウィスキーを飲むのが楽しみ、と語っていました。
大柄で和服が似合う池波正太郎。シャムネコとのツーショット写真が残されていますが、安心しきったサムのカメラ目線が忘れられません。
■猫が好きすぎてストーカーになった浅生ハルミン
『私は猫ストーカー』というそのものずばりの本を上梓した浅生ハルミン。近所の井の頭公園で猫の後をなんとなくついていったことから猫ストーキングを開始。
猫好きがこうじてなんとイタリアのマルタ島まで海外遠征し、猫に逆ストーカーされるという経験の持ち主です。
本業のイラストレーターよりも猫ストーカーとして有名になっているかもしれません。
■1匹の猫を愛し抜いた池田理代子
名作「ベルサイユのばら」の中でもアンドレはオスカル1人を愛し抜きましたが、やはり作者である池田理代子も浮気はしないタイプ。
『寝てもさめても猫三昧』という本を出版するほどの猫好きですが、複数の猫と暮らしながらも「たぬき」と名付けた猫を26歳から47歳まで21年間愛し続けたそうです。
自宅のお風呂場で溺死というショッキングな別れに衝撃が大きすぎ、その家から引っ越ししてしまったという彼女の気持ち、ものすごくよく分かりますよね。
■最後に
今も昔も猫が好きすぎる有名人は書き切れないほどたくさんいます。今から9500年前に猫はキプロスまで航海し、中央ヨーロッパに広がったのはイエスキリストの生誕の時代だった、という説もあります。
猫と人の歴史は遥か昔から続いています。本当に猫は地球を征服するかも知れませんね。