私の趣味は猫をモフモフすること。そして猫に関するあらゆる本を読むのも好きです。
最近気付いたのですが、猫について書かれた本では、日本の作家と外国の作家ではまるで「目線」が違います。
猫に関して、日本の作家さんはほぼ悪口を書くことはありません。しかし外国の作家さんは結構辛辣。知りたくなかった猫の本音をズバリと辛口でコメントしている文章に、読んでいて思わずドキッとすることもしばしばあります。
「猫が求めるものは、仲間ではなく場所であり、褒め言葉ではなくタンパク質だ。」
と言ったのは、『猫はこうして地球を征服した』の著者、アビゲイル・タッカー。
「人間との愛情のこもった関係は、ほとんどの猫にとって、主要な生きがいにはなっていない。」
と語ったのは、『猫的感覚・動物行動学が教えるネコの心理』の著者である動物行動学者のジョン・ブラッドショー。
ジョン・ブラッドショーは、人間は猫とコミュニケーションをとろうと必死になっており、猫も尿をふきかけたり、体をこすりつけたりして自分の気持ちを伝えようと誠実な努力をしているが、実際のところ、猫のこのような行動の理由はまだはっきりわからないのだ、と嘆いています。
なるほど。。。まだまだ人間と猫の間には深くて長い河があるようですね。しかし、それでもこれだけは知って欲しい、と猫が思っていることがあるそうです。
それは、案外飼い主さんは気がつかないので、猫は余計にイライラするのだとか。今回は、その猫をイライラさせる3つの要因をご紹介します。
■猫をイライラさせる要因①:機械の低周波の音
冷蔵庫、テレビ、パソコン、電子レンジ……。いわゆる「家電」のない家なんてまずありません。しかし猫にとって、これら家電はとんでもなくイライラの元になるそうです。
一体なぜ?その理由は、これら家電が発している周波数。猫は五感の中でもっとも聴覚が発達している動物です。猫の耳は犬より人間よりも高性能。特に高音域の聞き取りが得意なのだとか。
猫は果たしてどれくらい耳がいいのか?猫専門獣医師、服部幸先生の著書、『ネコのキモチ解剖図鑑』によると、猫の聴覚は
「暗がりで獲物が動いた時でも、察知できるように発達しており、芝生の上をアリが歩く音も聞こえるといわれています。」
と書かれています。すごいですよね!
そんなハイスペックな耳を持つ猫が完全室内飼いで暮らしていると、人間には聞こえない音でもキャッチします。
特に家電が発している低周波に関しては、人間には聞こえないのでもちろん飼い主さんも気づきません。そのため余計猫のストレスが上がってしまうそうです。家を留守にするときは、使っていない家電のコンセントはこまめに抜いてあげると、かなり猫は喜ぶかも知れませんね。
■猫をイライラさせる要因②:同居の猫
多頭飼いの暮らしは、猫にかなりストレスを与えるはずだ、とアビゲイル・タッカーは断言しています。
「ネコは生まれつき同種の仲間を嫌い、数キロ四方の縄張りがあっても他の猫と共有したくないと思っている。」
ここまで断言するとは。そしてある研究によれば、多頭飼いで生活している複数のネコは、1日の50パーセントの時間を、潔癖なまでにお互いが目に入らない場所で過ごすことがわかったそうです。(もちろん例外もあります)
しかしネコは順応力が高いので自分のいる環境の中では一緒に寝たり、毛づくろいをし合うなど仲良しの猫種もいます。
■猫をイライラさせる要因③:飼い主の気まぐれ
動物行動学者のバフィントンは、
「ネコにとって最も大切なことは、普遍性と予測可能性だということがわかった。」
とコメントしています。猫はとても几帳面な性格。午後8時に夕飯をあげる、と決めたら毎日8時に食べたいのです。イライラしないで待てる時間はたったの15分。
猫はご飯タイム、遊ぶ時間、寝る時間まで、あらゆる行動を普遍的に変わらず過ごすことに安心・安全を感じるのだとか。
飼い主さんが不規則な生活をしていたり、家具の配置をしょっちゅう変えたりする行動は、猫にとってはイライラするだけ。ストレスが溜まって問題行動が出ることもあるそうです。
■最後に
いかがですか。意外と、というか全く気づかなかった猫のイライラポイント。特に「機械の低周波の音」には、私も全然気付きませんでした。
同じ五感を持ちながらも、耳は猫の方がはるかにハイスペック。猫の可聴範囲は40万から6万5000ヘルツもありますが、人間はわずか20万から2万ヘルツだそう。
なるほどなるほど。猫のためにも、大きな音や電子音などにはちょっと配慮してあげるといいかも知れませんね。