
<国際親善試合:スペイン代表3-1日本代表>◇27日(日本時間28日)◇マドリード
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAラインキング7位)がアウェーでワールドカップ(W杯)王者スペイン代表(同2位)と対戦し、1-3で完敗した。
主軸の長谷川唯がコンディション不良で遠征に不参加となった中、4-2-3-1の先発メンバーは、GK山下杏也加、4枚のDFは右から守屋都弥、熊谷紗希、古賀塔子、北川ひかる、ボランチに三浦成美と宮澤ひなた、2列目は右から浜野まいか、松窪真心、藤野あおば、1トップに田中美南が入った。
ボールを保持するスペインに対し、なでしこは鋭いボール奪取から素早い攻撃を仕掛けた。前半9分には田中から右の浜野へ展開し、クロスボールに浜野が飛び込み好機を最初に作った。同17分にアクシデントが起きた。北川がクリアした際に右ひざを痛め、ピッチに倒れ込んだ。交代を余儀なくされ、ニールセン監督は宝田沙織を投入。古賀が左へ回って緊急対応した。
相手にボールを握られる時間が増える中、前半30になでしこが先制した。FW田中美南がDFライン間のビルドアップをインターセプトし、右の浜野へ素早く展開。マイナスの折り返しをゴール前で受けると、鋭い時計回りのターンで相手DFを外し、左足シュートでゴールネットを揺らした。パーフェクトな先制ゴールとなった。
ここからスペインの猛攻にさらされた。ショートパスで崩され、次々とシュートを浴びた。耐える時間が多くなる中、前半44分に右DFバトレの折り返しから左FWピナに鋭いシュートをたたき込まれ、1-1の同点とされた。
なでしこは後半開始から三浦と藤野を下げ、MF長野風花と杉田妃和をピッチに送った。田中と松窪が前線に並ぶ4-4-2布陣にシステム変更。前半同様に両サイドを広く使ってくるスペインに押し込まれながらも、ブロックを作り組織として守った。
後半17分には宮澤、浜野、熊谷を下げ、谷川萌々子、籾木結花、南萌華が入った。強度が高く、ボール技術にたけた強敵との貴重な一戦に少数精鋭の18人で臨んだ。ニールセン監督は控えGKスタンボー華以外のフィールド選手全員を起用した。
防戦の中、手痛いミスが出た。GK山下からのビルドアップで、ペナルティーアーク付近に下がってボールを受けようとした谷川が後方から鋭いチャージでボールを突かれ、フリーで受けた18歳ビッキー・ロペスにゴールを奪われた。1-2と勝ち越された。
なでしこは飲水タイムを経た直後の後半29分に籾木のパスから田中が決定機を迎えたが、左足シュートはセーブされた。
後半36分にはMFマリオナの直接FKがゴールバーを叩くなど、終盤もスペインの攻撃の前に耐える時間が長かった。そして後半43分、追加点を奪われた。自陣エリア内の左ポケットを縦パスで突かれ、その落としからMFカスティーヨに左足のビューティフルゴールを決められた。山下が懸命に右へ飛んだが、手に触れることはできなかった。このまま1-3で敗れた。
2年後のW杯で再び頂点に返り咲くための武者修行。5月30日、6月2日のブラジル代表との2連戦に続く強豪とのテストマッチは3連敗となった。