猫の様子をじっと見ているとわかります。猫が犬と大きく違うところ。それは、猫は決してハアハアと息をしません。
猫がハアハアと息をしていたら要注意。何らかの疾患の可能性があります。まずはココをチェックして、おかしいと思ったらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
■猫がハアハアと息をしていたら。まずこの3つをチェック!
・生後六ヶ月未満の子猫で、激しく遊んだ直後である:子猫はまだ体が完全に出来上がっていないため、すぐに呼吸が上がる傾向があります。特に夢中で遊んでいた後には、激しく動いた子猫はハアハアと口呼吸することも。
・暑い場所にしばらくいた:気温が高すぎる場所にしばらく閉じ込められるなど、特殊な状況下にいた場合、猫がハアハアと息をすることがあります。
冬場でも長時間こたつの中で寝ていた後にハアハアと息をすることも。ぐったりしていたら熱中症かも知れません。早急に体を冷やすなどの対策が必要です。
・不意の来客など、不安を感じた直後である:猫は一般的に警戒心が強く、怖がりな傾向があります。
日常生活の中で、何か不安なことがあっただけでも脈拍数が上がって口呼吸がみられることも。例えば不意の来客や隣の家の騒音、苦手な掃除機の音がしただけで息が上がる場合もあります。
この3つのチェックがどれも付かないのに猫がハアハアと息をしていたら、それは呼吸器の病気の可能性があります。
猫の呼吸は通常鼻だけでスースーとするのが基本。犬のように口を開けて呼吸することはありません。
特別な状況でもないのに口で猫が呼吸するのは心配な状態です。様子を見ずにすぐに動物病院を受診した方が安心です。
■普段の愛猫の呼吸数を知っておこう
トイレ、食欲、そして猫のバイタルチェックは健康管理の基本です。普段の愛猫の呼吸数を知っておきましょう。これを知っていれば、異変にすぐに気づく手ががりになります。
測り方の目安は、愛猫が安静にしているときの胸やお腹が動く回数を1分間数えるだけ。平常時での猫の呼吸数の目安は、成猫でだいたい1分間で20~30回です。
■猫の呼吸器の病気は原因が特定しにくい
猫の呼吸器の病気には、「鼻炎」「副鼻腔炎」「肺炎」「気管支炎」といった病気から、胸の中に膿がたまる「膿胸」、ペルシャなどの短頭種の猫に多く見られる先天性の「鼻腔狭窄」、犬だけでなく猫も心配な「フィラリア症」、呼吸が荒くなる「心臓病」「猫風邪」、下痢、嘔吐も見られる「猫伝染性腹膜炎」などなど、色々な病気が考えられます。
そのため、猫の呼吸器の病気は原因が特定しにくいケースも多いそうです。猫が荒い呼吸をしていたり、咳をする場合はただの生理現象と思わず、様子をチェックしてください。おかしいと思ったら早急な対応が肝要です。
■猫の呼吸器の病気予防に飼い主さんができること
完全な予防は難しいものの、呼吸器の病気にさせないために飼い主さんができることはあります。まずは「タバコを吸わない」ということもとても大切。
タバコを吸う飼い主さんと暮らす猫の方が、がんになりやすいという報告があります。猫の前ではタバコを吸わないようにしましょう。
タバコの副流煙には有害物質が多く含まれています。そして猫は、そのタバコの煙が付着した自分の体を毎日なめて綺麗にする習慣があります。
この場合、猫の毛づくろいはタバコを吸っているのと同じことになります。猫のいる室内での喫煙はしないように心がけましょう。
そしてもうひとつ、こまめな掃除で空気を清潔に保つことも大切です。室内のホコリやダニは猫の鼻やのどを刺激して咳やくしゃみの原因になります。
体質的に気管支が弱い猫にはハウスダスト、ホコリ、ダニ、カビは病気の原因となります。掃除をこまめにする習慣も大切です。
■最後に
猫の呼吸器の病気を予防するために、飼い主さんができることはいろいろあります。定期的なワクチン接種や猫になるべくストレスのかからない環境作り、そして栄養バランスに配慮したフードを適量与えて健康管理をすることなど、すべて飼い主さんしかできないことばかり。
最近は猫も16歳近くまで長生きするようになりました。猫の健康を考え、猫との暮らしを大切にする飼い主さんが増えたからでしょう。愛猫の健康作りは、飼い主さんの責任ですよね。