毎朝ニャ~ンと可愛い声で鳴きながら私を起こしに来てくれる愛猫。しかしモフモフの猫の顔が近づいた途端、アリエナイニオイが。この臭い靴下臭のおかげで、毎朝毎朝飛び起きます。
息子の臭い靴下を枕に寝るのが大好きな愛猫。この場合、悪いのは愛猫カイトか、部屋に靴下を放置した息子なのか意見が別れるところですが、この世界一可愛い生き物が、一体なぜこんな「臭い靴下の匂い」を偏愛するのか全くの謎です。
「うちの猫は脇汗のニオイにうっとりしてるよ。」
「同居猫のお尻のニオイを嗅ぎ回るのが好きだよね~。」
「粘っこい耳垢に反応するみたい。」
猫好きさんにリサーチすると帰ってくる猫の知りたくなかった性癖の数々。これが人間だったらある種のマニアにカテゴリーされそうですが、猫の場合はどうなんでしょうか。
猫が特定の匂いを嗅いだ時に見せる顔を「フレーメン反応」と呼びます。この時猫は恍惚の表情を浮かべているそうですが、それは一体なぜ?その理由について調べてみました。
■猫はニオイから情報を得ている
猫は物のニオイから情報を読み取るのが得意な動物。人間は視覚からほとんどの情報を得ていますが、猫は見知らぬ物があると、必ず鼻でクンクンとニオイを嗅いでそれが何かを知ろうとします。
その中でとりわけ気になるのが他の猫のニオイでしょう。猫は単独のハンター気質。自分の縄張り内に他の猫のニオイがついていないか毎日確認します。
この猫のフェロモンの匂いがどうやら人間の汗臭いニオイに似ているのでは、と考えられています。
■猫が臭い靴下に反応する理由
人間も動物です。フェロモンというニオイがあると言われていますが、まだはっきりと確認されていないようです。また、このフェロモンは同じ動物でしか反応しないとされています。
しかし猫が人間の臭い靴下や、脇汗、体臭などにフレーメン反応を見せるのは人間の汗臭さが猫のフェロモンの匂いと似ているからでは、と考えられています。
猫のフェロモンを出す臭腺は「アポクリン腺」と言われる汗腺の近くにあります。アポクリン腺が多い場所は下記の通り。
・猫の眼の上のあたり:猫の額から耳の前の部分周辺です。猫はよくこの部分を使ってスリスリしてきますよね。
・脇腹・おしりのあたり:脇腹としっぽの根元、肛門周辺は猫同士がフェロモンを確認するためによくクンクンする場所です。
・足元:爪の根元と肉球にもアポクリン腺と言われる汗腺が。猫がいろんな場所で爪を研ぐのは、ここから出るフェロモンを付けたいからだと考えられています。
あご・頬:猫が家具や柱にスリスリするのは、この部分から出るフェロモンをこすりつけているそうです。
■臭い靴下に反応しない猫もいる
このフレーメン反応は、頻繁にする猫もいれば全くしない猫もいます。この程度の差は猫の好奇心の強さが関係すると考えられています。
好奇心が強い猫は、どんなものにもフェロモンが入っているか確認したくなるようです。また、この反応は子猫には見られないことから、性行動とも関連が確認されています。このフレーメン反応は、メス猫よりもオス猫に多いことも報告されています。
■こんなニオイがたまらニャイランキング
猫がどんなニオイが好きなのか調べてみました。あなたの愛猫はどんな猫がたまらニャイのでしょうか。
・人間の体臭:「お父さんの靴下」「脇汗」「座布団のニオイ」「手のひらのニオイ」
人間の手足もアポクリン腺が多い部分です。猫はやっぱりここの部分がたまらニャイようですね。
・マタタビ・ミント系:「歯磨き粉」「マタタビ」
このマタタビ・ミントの成分も猫のフェロモンと似ているのではと言われています。マタタビやキャットニップが持つマタタビラクトンという揮発成分は直接猫の中枢神経に作用して猫をうっとりさせるようです。
・猫のフェロモン:「他の猫のお尻のニオイ」「自分のお尻のニオイ」
猫のフェロモンが一番強く感じるのは肛門周辺。猫は顔や見た目よりもこのフェロモンのニオイを嗅いで相手を確認しているのでは、という意見もあります。
・いつもと違うニオイ:「マニキュアのニオイ」「炭酸飲料」「赤ちゃんのニオイ」
猫は好奇心でフレーメン反応を示すといいます。未知のニオイは猫の好奇心をくすぐるのでしょう。
いかがですか。猫が好きなニオイは結構独特です。猫は嗅覚で相手を判断するなら、猫から見た絶世の美女は、かなりクサ~イ存在なのかも知れませんね。