人と比べると、猫は年をとっても見た目はそれほど変わらないように見えます。しかし猫だって生き物。年をとればそれなりに体に老いの兆候が現れます。
猫の7歳は人間なら44歳ぐらい。立派な中高年です。しかしこの年齢、人間でもまだまだ若い!美魔女と言われる人から、すでに背中が曲がり始めている?と思うおばあちゃんレベルまで様々ですよね。
愛猫のシニアレベルをチェックする時、外見上猫の老いが現れやすいのは、「目」「歯」「爪」「毛」「体型」の5つ。
猫の健康状態は早期発見が大切。今回は、そろそろ中年?に差し掛かる猫のための5つのチェックポイントをご紹介します!
■「目」
丸く透明な猫の目。横から見ると本当に綺麗。猫の顔の一番重要なパーツと言えます。
しかしシニアに差し掛かると、猫の目の虹彩(猫の目の色がついた部分)と水晶体に変化が現れることが多くなります。
加齢とともに虹彩の筋肉が衰えて萎縮し、色が薄くなったり、部分的にシミが現れることがあるのです。
猫の目にシミができた場合、これは特に片方の目だけに現れた場合は悪性のメラノーマという腫瘍である可能性があります。早期発見できたときは念のために動物病院で相談したほうが安心です。
他にも虹彩筋が萎縮すると瞳孔が開きっぱなしになることも。明るい光をまぶしがるようになったら、猫の目に異常がないかチェックしてみてください。他にも白内障や目やにが目立つなど、シニアになると目を見るだけでも老化をチェックできることもあります。
■「歯」
猫は生後5~7ヶ月頃までに乳歯が永久歯に生え変わります。1歳頃までの猫の歯はほとんど真っ白。綺麗です。
しかし年齢とともに猫の歯も変色して行きます。早ければ2~3歳、多くは5歳あたりから黄色っぽい歯石のついた歯が見られるようになります。
7歳を過ぎたシニア猫になると、この歯の歯石、色素沈着、口臭が見られ始めます。動物病院で野良猫の年齢を推定する場合、この歯の状態から判断することも。猫の歯の状態によって「比較的若い猫」「中年の猫」「シニア期の猫」と3段階くらいには分類できるそうです。
■爪
猫の爪は何層にもなっていて、爪をとぐことによって外側の爪が剥がれて新しい層が現れます。しかし猫も年をとると爪とぎをあまりしなくなるため、外側の層が剥がれ落ちずに爪が分厚くなって行きます。
その状態が続くと爪がクルンと丸く巻くように伸びてしまい、肉球に突き刺さることもあります。爪は定期的にチェックしてお手入れしてあげてください。
■「毛」
シニアの猫になると、新陳代謝が落ちて抜け毛が増え、毛のツヤがなくなります。「毛割れ」と言われる毛がくっついた部分ができたり、背中あたりに毛玉ができることもあります。
顔にも体にも白髪が増えるので猫全体の毛色が薄くなった、と感じる飼い主さんも多いようです。
■体型
通常、猫は自分が食べたい量を自分で調整できます。しかし避妊、去勢した猫や高カロリーのフードを食べている猫は、この調整ができない場合があり、中年期には太り気味になる傾向があります。
しかし反対にシニアになると加齢とともに筋肉量、特に背中からお尻、後ろ足の筋肉が減って痩せ気味になって行きます。
健康維持と病気の早期発見のために、定期的に愛猫の体重はチェックしてみてください。大体の目安ですが、1ヶ月で10%程度の体重の変動があった場合は、フードや猫の体調を観察して様子をみてあげると良いでしょう。
■最後に
猫の7歳はおよそ44歳。猫は本当にあっという間に成長します。現在飼い猫の平均寿命は16歳前後。長いようで短いですよね。
猫は病気を隠す動物ですから、気がついたときには手遅れ……。ということが犬よりも多いと言います。
猫を抱き上げた時の柔らかさは子猫の時のままでも、瞳を覗き込んだり、口の中をチェックして見ると、「シニアの兆候」がわかるかも知れません。
特にシニアの猫で怖いのが「悪性腫瘍」、いわゆるガンです。わたしも1度ガンになった猫を拾って看病したことがありますが、猫のガンは進行が本当に早くてびっくり。昨日はなかったのに……。という場所にまでガンが広がることもあります。
しかしその分、早期発見できれば、治るのも早いのも特徴です。猫は人の4倍のスピードで年を取る、と言われていますから、早期発見は猫の寿命を4倍長くできるかも。どうぞ飼い主さんは愛猫が7歳を超えたら、この5つのチェックをしてみてくださいね。