猫が気持ちよさそうに毛布をフミフミ…。これは子猫時代の母猫のおっぱいを思い出す微笑ましいい仕草だと言われていますが、ビニールの袋を噛みちぎって飲み込んでしまう、布をボロボロになるまで噛んだり吸ったりして繊維を食べてしまう場合は、
「ウールサッキング」
と呼ばれる猫にとってとても危険な症状だと言われています。
もともと猫は甘みを感じないなど、味覚には疎い一面を持つ動物ですが、嗅覚はずば抜けて鋭い動物です。
布やビニールをフードと間違えるなんて有り得ません。ウールサッキングをする理由は一体何が原因なのでしょうか?
■遺伝が関係しているかも?
獣医の先生が診察しても、猫のウールサッキングを治療するのはなかなか難しいと言います。この病気の原因は色々考えられますが、中でも有力なのが、
「遺伝が関係しているのではないか」
ということです。この病気になる猫は、統計的に見るとシャムネコや日本の猫、ビルマ猫などオリエンタル系に多いと言います。
このことから、東洋系の猫には遺伝的にウールサッキングをしやすいのではないかと考えられています。
■子猫時代の愛情不足?
ウールサッキングをしやすい猫は0~1歳の子猫に多く見られると言います。生後すぐに母猫から引き離された猫は、母猫のおっぱいが恋しくて毛布をフミフミしますが、それが講じてウールサッキングする様になってしまうのでは、という考えも多い様です。
■人の匂いに似ているから
一体なぜなのかは全くわかりませんが、猫の中には人間の脇汗の匂いが好きな猫がいます。男性の脱いだ臭い靴下の匂いがたまらニャイという猫も多いとか。
羊毛を使った毛布には、ウールオイルと呼ばれる油分が染み込んだ繊維が使われることがあります。この油分を生成している成分をラノリンといますが、これは人間の脇汗の匂いにとてもよく似ているのだそうです。
この匂いがなぜか好きな猫は毛布に執着するあまりウールサッキングをしてしまうのではないか、と考えられています。
いかがですか。このウールサッキングは、お腹の中に異物が溜まって腸がつまらせることがあります。
猫が食欲がない、元気がないという時は、このウールサッキングが原因かも知れません。
小さな繊維なら便と一緒に排出できますが、長期間ウールサッキングを習慣にしている猫の場合はお腹に繊維が溜まってしまう可能性があります。
腸が詰まると開腹手術など重篤な背術が必要になる場合もあります。飼い主さんは猫の様子をよく観察して下さい。猫が食欲がなくなるほど毛布や段ボール、紐などを噛んだり吸ったりするのが好きな場合は早めに動物病院で相談して見て下さいね。