前編でも猫の鼻血がでる原因についてお話しましたが、後編では猫の鼻血がでる『怖い病気』をご紹介します。
◆鼻腔内腫瘍
簡単に言えば猫の鼻の中に腫瘍ができてしまうことです。
腫瘍には悪性・良性とありますが、鼻の中にできる腫瘍は悪性であることが多いのだとか…。
若い猫の発症率は少ないですが、高齢猫になるにつれ腫瘍はできやすくなるので注意が必要です。
猫の鼻の中に腫瘍ができると、くしゃみをしたり、鼻水が頻繁にでたり、鼻血がでるなど鼻炎に似た症状がまず現れます。
猫の元気もなくなり、呼吸も浅くなるため、猫風邪や副鼻腔炎などの症状にも似ているかもしれません。
症状が進行すると顔が腫れてきたり、腫瘍に押され目が飛び出したり、顔の変形を起こすこともあります。
転移する確率も高く、切除することも不可能。抗がん剤治療なども効かなかったり、再発することも多いため放射せん治療をすることが多いのだそうです。
ただ、猫の放射せん治療をすることができる病院はすくないのが現状です。
シニア猫が風邪かな?と思う症状を見せているなら早めに病院に行き色々と検査をした方がよいかもしれませんね。
◆鼻咽頭ポリープ
名前の通り猫の鼻の中や咽頭の辺りにできる良性腫瘍のことなのですが、鼻や咽頭に限らず外耳や内耳にできるポリープも『鼻咽頭ポリープ』と言います。
基本的には良性の腫瘍のため命まで危なくなることは少ないですが、進行しだいでは呼吸困難になったり、失神など危険な状態を引き起こすものです。
鼻腔内腫瘍と違い、若い猫が掛かりやすいのが特徴といえるでしょう。
鼻血がでたり、鼻水が出たり鼻腔内腫瘍と似たような症状が起こりますが、ポリープのできている場所によっては神経が圧迫され歩き方が不自然になったり、くるくると同じ場所を回り続けたり、不思議な行動をとることもあります。
全く症状が見られないこともあるかと思えば、嘔吐や中耳炎を引き起こすこともあり、ポリープができる場所で症状引き起こる症状がかなり違うことが特徴です。
◆多発性骨髄腫
猫の多発性骨髄腫とは血液内の悪性腫瘍のこと。
骨髄で作られる白血球の一種であり、免疫にも関係している『形質細胞』という細胞が癌化して起こる病気です。
癌化した形質細胞は猫の免疫力を低下させ、全身の骨や臓器に転移し、日に日に骨を溶かしていきます。
癌化した形質細胞が増えるせいで通常の血が作られにくくなり、貧血や鼻血、食欲の低下などの症状を引き起こします。
症状が進むと激痛でうごけなくなることも…。
多発性骨髄腫は猫にはあまり見られない症状ではあります。
シニア猫の発症率が高いですが、まれに若い猫でも発症することがあるようです。
発症例が少ないため確立した治療法はまたなく、血液内の腫瘍のため転移が多く切除も難しいそう。
早めに多発性骨髄腫であることがわかれば抗がん剤での延命治療ができる可能性とありますが、基本的に完治する病気ではありません。
いかがでしたか?
どの病気も症状によっては鼻血がでないこともあります。
しかし、上記したような病気が原因で鼻血が出ることもあるのです。
猫は比較的鼻血がでにくい動物です。
猫が目の前で思いっきり鼻をぶつけて鼻血を出した!という場合以外で猫が鼻血を出しているなら病院にいくことをおすすめします。
病気は早期発見で延命が可能になることが多いものです。
猫が普段と違うと感じたら、病院へ行くように心がけましょう!