犬と猫、大きな違いは「喜怒哀楽」のアピール力。尻尾の動きの激しい犬は気持ちがわかりやすく、あまり尻尾を動かさない猫はミステリアスだと思いませんか?
犬や猫の気持ちを表す大きな手がかりとなるのが「尻尾」の動き。犬も猫も、飼い主に自分の気持ちを「尻尾」を使ってアピールして来ますよね。
しかし、人間は勘違いしているかも知れません。犬と猫が尻尾を振るのは「喜んでいる」からだけではないかも。
今回は、犬や猫の尻尾に込められた複雑な気持ちをご紹介しましょう。
■尻尾を「右に振るか左に振るか」で気持ちが違う
「ライオンはなぜ、汗をかかないのか?―絵と図でわかる「動物」のふしぎ 」(創造力と直観力のインフォグラフィックス)という本を書いた、サイモン・ロジャースによると、
「犬の尻尾の動きはかなり複雑な心境を表している」
と言います。犬が尻尾を「右側」に振るのはご機嫌な時ですが、「左側」に尻尾を振るときは不安な気持ちの時だそうです。
■犬と猫でもこんなに違う
犬が尻尾を千切れんばかりに振って人を見つめる時。飼い主は大抵「喜んでいる」と思っていませんか?
確かに「犬が尻尾を振るのは喜んでいる」のは正解ですが、そればかりではありません。喜んでいる、というよりも「興奮している」ときも多いと言います。
「口が大きく開いている」「耳が垂れ下がっている」「目が穏やか」な時に尻尾を振っているときは喜んでいる証拠ですが、「鼻の上にシワが寄っている」「目に力がこもり、上を向いている」「歯を見せる」ときは攻撃体勢に入って興奮している証拠です。
そして猫が尻尾を振る場合。尻尾をピンと立てて近づいて来る時は、「友好」「満足」の証拠。尻尾をブルブルと震わせる時は「嬉しい」の合図。そして尻尾をピンと立てたまま、左右に揺らしている時は「バカにしている」証拠だそうです。
■犬はニコニコ、猫はイライラ
尻尾を激しく左右に振る時。床に尻尾を叩きつける時。犬と猫は全く気持ちが反対です。尻尾を激しく左右に振って床に尻尾を叩きつけている時は犬はとってもご機嫌な合図。しかし猫の場合は全く逆になります。この時の猫はとっても不機嫌。イライラしている証拠だそうです。
いかがですか。私は犬と猫を飼っています。あんまり仲が良くない2匹。どちらかというと犬の方が猫と遊びたくて尻尾を振っているのかと思っていましたが、どうやらそうでもないようです。
毎朝私が最初に挨拶をするのは猫のカイトが先。その時左に尻尾を振りながら見上げる犬のぽんちゃん。そのぽんちゃんを見下ろしながらゆっくり尻尾を左右に振る猫のカイト。
この時、犬のぽんちゃんは喜んでいるよりも不安になっていて、猫のカイトはご機嫌なわけではなく、犬のぽんちゃんをバカにしているようです。
犬と猫、尻尾の動きでかなり「複雑」な気持ちを表しています。飼い主は知っていた方がいいかも知れませんね。