猫を撫でているといきなりガブリ(泣)私も何度やられたかわかりません。最初は気持ちよさそうにゴロゴロしているので、この急激な変化は本当に不思議です。
このナデナデしているといきなりガブリという行動、専門用語では「愛撫誘発性攻撃行動」と言います。
猫の攻撃行動の原因は主に3つ考えられます。
①不適切は社会化:子猫時代、8週齢までに他の猫に対して社会化の経験を学ばなかった場合。
②遺伝的影響:猫の性格は父猫の気質が遺伝するといわれています。もともと人間や他の猫に対して攻撃的な猫の子供は、育て方に関係なく攻撃的な場合があります。
③欲求不満:見知らぬ猫や人が縄張り内に侵入する、多頭飼いで猫の密度が高すぎる場合、食料が足りない、引越しなどのストレスで攻撃行動を起こす場合があります。
しかしこの3つ以外で、ナデナデしているといきなりガブリという行動の理由があるかもしれません。今回はロンドンで有名な獣医師、ブルース・フォーグル先生の説をご紹介しましょう。
■愛撫によって誘発される猫の攻撃性
猫が飼い主の膝の上で居眠りしているとき。飼い主は無意識に猫の体を撫でてしまうはず。この「猫を撫でる」という行為は人間にとっては血圧の低下、心拍数を穏やかにする「気持ちの良い」行動です。
ペットを飼うと健康になる、というのは本当です。この行為、猫ではなく犬の場合は、飼い主が撫でるのをやめると、犬は頭や足でツンツンと「もっとやって」と催促をしますよね。
犬は社会性があり、群れで行動する動物ですから、このお互いにグルーミングする行為は「心地よい」と感じます。
しかし猫の場合、いきなり自分を撫でている手に噛みつき、飛び降りてしまいます。一体なぜなのでしょうか?
■猫はメス猫同士しかグルーミングをしない?
ブルース・フォーグル先生によると、猫も互いにグルーミングしますが、よく観察していると他の猫をグルーミングするのはメス猫たちだけだと言います。そしてこの行為は十分に食料が足りている場合のみ、そしてごく短時間しかグルーミングはせずに、あとは物理的な接触は最小限に控えて程よい距離を置いているとか。
そして野良猫の場合は他の猫と体が触れ合った状態で眠ることもしないそうです。
■猫がいきなりガブリとする理由
猫はうたた寝の天才です。撫でられているとついウトウトして眠ってしまいます。しかし次の瞬間、何かが自分の体に触れている感触で目を覚まします。野性時代、この感触は危険の前触れであり、猫は本能的に噛み付いて飛び降りて危険から逃げようとします。
しかし着地する前にはすでに意識もはっきりしているので、「なんだ、飼い主だったのか」と気づいて慌てて毛づくろいしてリラックスするのだとか。
いかがですか。この「敵と間違えて噛み付く説」。このブルース・フォーグル先生の他に、ボニー・ビーヴァー博士もこの説を唱えていました。
あなたの愛猫には当てはまるでしょうか?こんな理由なら愛猫のこの行動、許してしまいたくなりますよね。