当然ですが、人間以外の動物にも「心」や「感情」はあります。ペット、コンパニオン・アニマルとして人間と一緒に暮らす動物、特に犬・猫・鳥の気持ちは飼い主として知りたいと思いますよね。
個体も性質も全く違う犬・猫・鳥ですが、生物学をたどってみれば、いずれは共通する祖先にたどりつきます。
ペットが好む環境には共通点があるのかも知れません。今回は、ペットが好む生活環境について調べてみました。
☆犬・猫・鳥は完全室内飼いで幸せなの?
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もともとは野山を走り回っていたであろう犬や猫。自由に空を飛んでいた鳥。人間のペットとして飼われている現在、一度も土の地面を知らないまま一生を終えるペットも珍しくはないはずです。
そんな人工的な環境の中で育つペット達。犬・猫・鳥は完全室内飼いで幸せだと感じているのでしょうか?
この問いに対して、東京大学名誉教授でスコティッシュフォールドの猫「まる」を溺愛している作家の養老孟司先生は、ご自身の著書「ねこバカ いぬバカ」の中でこう述べています。
「生まれた時からケージの中にいたマウスは、エサがあって水があって何にも困っていないから、しっぽを掴んでブラブラさせても平気。ケージから出してもへりを触ってゆーっくり歩いている。ウソだよコレは。生き物じゃないよって感じがしましたよ。」
と語っていました。生まれついての環境が人工的なら、それが「自然」だと適応してしまうようです。しかしたまに逃げ出すマウスがいて、そのマウスは研究室でも1週間逃げ回っていると完全に「野生のネズミ」の本能を取り戻すとか。
養老先生はそれを見て、「人間もおそらく同じだろう」と言っていました。なかなか興味深いですよね。
☆犬・猫・鳥はみな干してたたんだ「洗濯物」の上が好き
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上智大学物理学科を卒業したサイエンス・ライター、支倉槙人氏の著書、「ペットは人間をどう見ているのか」(株式会社技術評論社)によると、犬・猫・鳥が好む環境はそれぞれ違いますが、唯一の共通点として挙げられたのは、犬も猫も鳥も干してたたんだ「洗濯物」の上が好き、ということだったそうです。
ぺっとのくつろぎ空間はどこか?という調査を行ったところ、ネコは「邪魔をされずにリラックスできる場所」、犬は、「大好きな人間の足もと」、鳥は「高い場所に行きたがる」ことがわかりましたが、この実験に参加した全てのペットの共通点がこの「干してたたんだ洗濯物の上」だったそうです。
いかがですか。私は犬や猫が洗濯物の上が好きなのは知っていましたが、鳥もそうだったとは知りませんでした。サイエンス・ライター、支倉槙人氏はオカメインコを飼っているそうですが、彼の家のオカメインコも洗濯物の感触を楽しむように上を歩いたり、縫われた糸をほぐすように引っ張ったり噛んだりする様子が10年以上確認されているそうです。
犬・猫・鳥はみんな洗濯物の上が好き、という意外な共通点。どうしてなのでしょうか?何だか興味深いですよね。