すっかり世間に浸透した「アニマルセラピー」という言葉。「ペットは友達」「かけがえのない家族」「ペットは無償の愛を提供してくれる存在」だとペットを飼う人は口を揃えて言うはずです。
しかしこの「ペットは無償の愛を提供してくれる」という意見に疑問を抱いているのが、ウェスタンカロライナ大学教授のハロルド・ハーツォグ氏。
彼はペットが無償の愛を提供してくれる存在なら、愛を一番必要とする一人暮らしの人ほどペットを飼うはずだ、と思って調べてみました。
すると実際にペットを一番多く飼っているのは学校に通う年齢の子供を持つ成人だったそうです。一人暮らしでペットを飼う人の数は一番少なかったとか。
ハロルド・ハーツォグ氏は、ペットは本当に私たちを幸せにできるのか?というテーマで調査を開始。その結果、とても興味深い回答を導きだしました。
今回は、猫を飼うと幸せになる人とならない人がいるかも知れない、聞くとちょっと複雑になる調査報告をご紹介しましょう。
☆猫を撫でると血圧が下がる、は本当だが…。
1980年7月号の「パブリック・ヘルス・リポート」誌に、心臓疾患を持つ患者92人の中でペットを飼っている人の生存率が、飼っていない人よりも高かった、という記事が掲載されて以来、またたくまに「ペットを飼うと健康になる」という情報が世間を席巻しました。
確かに猫を撫でると血圧が下がり幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されます。うつ病になる確率も低く、子供は喘息にかかる確率も低くなることが報告されています。
しかしそれは、別にペットを飼っているからではないのかもそれません。
☆ペットを飼う人はもともと幸福度が高い
ハロルド・ハーツォグ氏は実はペットを飼うと健康になるという調査報告と同じ位、ペットと健康は全く関係がない、という報告の多さにも注目しました。
その結果、ハロルド・ハーツォグ氏は、実はペットを飼うと健康になるのではなく、もともとペットを飼う人は精神的にも経済的にも安定していて、すでに健康な人が多いのではないか、とコメントしています。
犬を散歩に連れていけるエネルギーがあるのなら、他の部分でもポジティブなのでは?とペットと飼い主の健康への関連性に疑問を投げかけています。
確かにペットを飼う人はもともと健康な人が多いのかも知れません。猫を飼うと幸せになるのではなく、もともと幸せな人が多いのかも…。
この場合、あまり健康状態が良くない人に限り、猫を飼うと健康になって幸せになれるということかも知れません。
うーん、ちょっと複雑な飼い主ゴコロ。皆さんはどう思われるでしょうか?