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推定2万3000歳!?「不老不死」を手に入れてしまった最強生物たち


人類の寿命が80年と延びた現代でも、100歳を超える人は稀であり不老不死は夢物語です。しかし、地球には何千年も生きる生物が存在します。 例えば、アイスランドガイ(Arctica islandica)は507歳を記録し、ギネス世界記録にも掲載されていますが、最長寿命の生物ではありません。海綿動物の一種であるガラス海綿類は約2万3千年生きることが知られ、寿命の長さでは無脊椎動物が優位です。一方で、ベニクラゲ(Turritopsis spp.)は特定の条件下で無限に若返る能力を持ち、地球で最も長生きの生物とされています。 脊椎動物の中で最も長命なのが「ニシオンデンザメ(Greenland shark)」で、推定500年以上生きる個体が存在します。これらの生物の長寿の秘訣は成長の遅さと環境適応の巧みさにあります。こうした水棲生物の研究が長寿の鍵を握るかもしれません。

「人間50年」も遠い昔となり、現在は「人間80年」時代に入っています。

それでも100歳まで生きる人は少なく、不老不死も夢のまた夢の話です。

しかし、この広い地球を見渡してみれば、私たちより遥かに長く生きられる生物はたくさんいます。

それでは、今この星で最も寿命の長い生物は一体何でしょうか。

また、人類の夢である「不老不死」を叶えた生物はいるのでしょうか。

目次

  • 1499年生まれの「アイスランドガイ」
  • 2万年生きる「海綿動物」、不老不死を叶えた「ベニクラゲ」
  • 500年以上生きる「ニシオンデンザメ」

1499年生まれの「アイスランドガイ」

アイスランドガイ
アイスランドガイ / Credit: ja.wikipedia

2006年にイギリスの研究チームが、アイスランドの大陸棚である貝を採取しました。

この貝はアイスランドガイ(Arctica islandica)」という二枚貝で、とても長生きな種であり、1982年にはアメリカで220歳の個体が見つかっています。

本種の年齢は、1年ごとに積み重なる貝殻の年輪を数えることで計測できます。

チームがこの貝の年齢測定をした結果、507歳という驚くべき数値が出たのです。

2006年の時点で507歳ですから、この貝が生まれたのは1499年のこと。

その時、日本は戦国時代であり、イタリアではレオナルド・ダ・ヴィンチが『モナ・リザ』を制作している頃でした。

また、中国では明王朝(1368〜1644)が栄えていたことから、貝は「ミン(Ming)」と命名されています。

ミンは「世界一長生きの貝」として、ギネス世界記録にも認定されました。

アイスランドガイの最大寿命はまだ分かっておらず、探せばミンよりずっと長生きの貝が見つかるかもしれません。

しかし、ミンが世界一長寿の生き物かと問えば、答えはノーです。

海の世界には、まだまだ上がいます。

2万年生きる「海綿動物」、不老不死を叶えた「ベニクラゲ」

ガラス海綿類(Hexactinellid)」と呼ばれる海綿動物の寿命は、1万年を軽く超えると言われます。

世界中の海で見られ、水深450〜900メートル付近に生息しています。

たいていコップのような形をしており、高さは10〜30センチほど。成長がきわめて遅いことで知られ、これは寿命の長い生き物に共通する特徴です。

正確な年齢の測定は難しいですが、これまでの最高記録として、推定2万3000歳の個体が見つかっています。

どれくらい生きられるかも研究中であり、中には「適切な環境下にあるかぎり不死身ではないか」と主張する専門家もいます。

ガラス海綿類の一種「カイロウドウケツ」
ガラス海綿類の一種「カイロウドウケツ」 / Credit: ja.wikipedia

その一方で、すでに不老不死を叶えてしまったとされるのがベニクラゲ(Turritopsis spp.)」です。

ベニクラゲは、若返りのシステムを手に入れており、環境条件が整っているかぎり、永遠に若返り続けることができます。

普通のクラゲは、成熟したオスとメスが交配し、子孫を残すと死んでしまいます。

残された受精卵は「プラヌラ」という幼生期間を経て、「ポリプ」という状態に変化。ポリプから木のように枝がいくつも生えて、そこから実がなり、その実がクラゲの子となるのです。

ところが、ベニクラゲはケガをしたり、環境が変化して生存に危機を覚えると、自らポリプの状態になることができます。

これは子どもでも大人でも可能であり、まったく同じ遺伝子で最初からリスタートできるのです。

ベニクラゲは天敵に食べられないかぎり無限に生きられますから、現時点では、地球一寿命の長い生物と言われます。

ただ、ここまで挙げたのは、私たちとは繋がりが薄い無脊椎動物ばかりです。

では、ヒトと同じ脊椎動物の中で最も長生きなのは何でしょうか。

500年以上生きる「ニシオンデンザメ」

ニシオンデンザメ
ニシオンデンザメ / Credit: en.wikipedia

脊椎動物には、160年生きるガラパゴスゾウガメや、226年生きた日本のニシキゴイなどがいますが、その中で最も長寿の生物は「ニシオンデンザメ(Greenland shark)」というサメです。

グリーンランド近海や北大西洋に分布し、基本的に深海性ですが、水温の低い場所であれば浅瀬にも浮上してきます。

ニシオンデンザメの寿命は200年程度とされていますが、2016年の研究で、全長5.02メートルの個体が推定で392±120歳と発表されました。

つまり、最低で272歳、最高で512歳となります。

いずれにしても、脊椎動物の中ではナンバーワンでしょう。

彼らの長寿の秘訣は成長スピードの遅さにあり、1年でわずか1センチしか大きくなりません。

また、交配が可能な成熟年齢は150歳とされており、世代交代も私たちと比べて非常に遅いことが伺えます。

こうして見ると、長寿の生き物は水棲生物にとても多いのが分かります。

長生きの秘密は海の世界に隠されているのかもしれません。

全ての画像を見る

参考文献

The oldest animal (that we know of) — and it’s not what you think
https://www.zmescience.com/other/feature-post/the-oldest-animal-that-we-know-of-and-its-not-what-you-think/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部

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