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”考えすぎる人”が秘める「5つの強み」と「実生活に役立てる方法」とは?


考えすぎる性格は一般的に不利とされがちですが、社会心理学者のアリス・ボイズ氏はその傾向を強みに変える方法を説いています。考えすぎる人は、自分の改善点に気づきやすく、システムの欠陥を見つけることで進化や創造性を発揮します。また、複雑な問題に挑むことを避けず、好奇心を持って深く学ぶことで、他人が見逃す知識を得ることができます。この性質をうまく生かすことで、考えすぎは強力な問題解決ツールとして活用できるのです。ボイズ博士は、システムの欠陥を見抜き、複数の選択肢を考慮することで、他人のために役立つ解決策を考案していくことを提案しています。

物事を考えすぎてしまう性格は、多くの場面で不利に働きます。

夜眠れなくなったり、行動に移せなかったり、他人の言動を過剰に気にしてしまったり……。

周囲からも「気にしすぎ」と言われ、悩んでいる人も多いかもしれません。

しかし、社会心理学者のアリス・ボイズ氏(Alice Boyes)は、そんな「考えすぎ」の傾向を、自分の強みにできると教えています。

本記事では、考えすぎる人が秘める5つの能力と、それを実生活に活用する方法について解説します。

目次

  • 考えすぎる人がもっている隠された「強み」①
  • 考えすぎる人がもっている隠された「強み」②
  • 「考えすぎ」の強みを実生活で活かす方法

考えすぎる人がもっている隠された「強み」①

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考えすぎる人 / Credit:Canva

「いつも頭の中がうるさい」

これは考えすぎる人の多くが抱える共通の感覚です。

何か失敗をしたとき、自分のミスだけでなく「なぜそうなったのか?」「あのとき別の選択肢があったのでは?」と延々と脳内反省会が続いてしまいます。

たとえ周囲が「気にするな」と言ってくれても、脳は止まらず、次第に自己嫌悪へと陥るのです。

ところが、アリス・ボイズ博士はこの傾向を逆手に取ることで、深い成長や創造性に繋げることができると指摘します。

まず、考えすぎる人が自然に持つ2つの長所を見てみましょう。

1. 自分の改善点に気づきやすい

考えすぎる人は常に「自分自身の改善点」を考えています。

これは単なる自信のなさではなく、成長することが“日常の一部”になっているという意味でもあります。

例えば、職場でプレゼンがうまくいかなかったとしましょう。

普通の人なら「まあ仕方ない」と済ませるところを、考えすぎる人は「資料の構成は?」「声のトーンは?」「聞き手の反応は?」と分析を繰り返します。

これは疲れるプロセスですが、結果的に次の機会には格段にスキルアップしています。

つまり、深く考える傾向は、他人が見逃す自分の改善点に気づける能力なのです。

2. システムの欠陥に気づく

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深く考える人はシステムの欠点に気づいて改善できる / Credit:Canva

もう1つの強みは、周囲の非効率や欠陥に敏感であることです。

会議の段取り、サービスの導線、学校や職場のルール。

考えすぎる人は、それらに含まれる小さな摩擦や無駄にすぐ気づきます。

「なんでこんなやり方してるんだろう?」「もっとこうすれば、みんな楽になるのに」と、自然に考えが始まるのです。

たとえば、友人が経営するカフェで、注文カウンターと受け取り口の動線が逆になっていて混雑していたとします。

考えすぎるあなたは、「列の流れが逆にすればストレスが減るのでは?」と提案できるでしょう。

これは単なる批判ではなく、本質的な最適化を考えられる能力です。

他の人が考えないことを考え、その改善点を見抜くことができるのです。

そして考えすぎる人の強みは他にもあります。

考えすぎる人がもっている隠された「強み」②

考えすぎる人の強みは前項で挙げた2つだけではありません。

残りの3つも見てみましょう。

3. 複雑な問題を嫌がらない

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考えることを嫌がらないことは長所である / Credit:Canva

多くの人は「面倒なこと」を避けます。

ルールの解釈の違い、詳細な点の決定、例外にどのように対応するか、などです。

こうした複雑でややこしい問題は、多くの人が後回しにしたがります。

ところが、考えすぎる人は複雑さの中にむしろ安心感を見出す傾向があります。

彼らはすでに「一つのことを深く考える習慣」が身についているのです。

例えば、レストランの準備をする際、考えすぎる人は、「レストランに幼児用のハイチェアがなくて、幼児を連れてきた人がいたらどうする?」という細かな想定を事前に考えることができます。

考えすぎる人は、他人が見落とすリスクに気づき、トラブルが起きる前に先回りして対処できるのです。

4. 好奇心が止まらず深く学ぶ

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いろんなことに関心をもち、知識を深めることができる / Credit:Canva

考えすぎる人は、たった1つの疑問から延々とネット検索をしてしまうことがあります。

「あれ?この技術ってどうやって作られてるの?」という疑問から、素材の歴史や海外の事例まで、芋づる式に知識を深めてしまうのです。

このいわゆる“ラビットホール効果”は、一見本来の目的から逸れてしまい、時間を無駄にする行為に思えるかもしれません。

確かにその場合もあるでしょう。

しかし長期的には、こうして得た知識が繋がり、誰も思いつかない視点からの解決策を生み出す力になります。

また、考えすぎる人は一度考えたことをずっと忘れず、以前のアイデアを何度もループして考えます。

そのため、以前のアイデアと新しい知識の断片を結び付けることが可能で、理解が深く、立体的になる場合があります。

5. 複数の選択肢を用意できる

最後の強みは、選択肢を1つに絞らず、いくつも用意できることです。

多くの人は「A案が通ったからもうこれでいい」と考えますが、考えすぎる人は「でもB案やC案のほうがもっと良かったのでは?」と考え直します。

最初の案に固執せず、より良い答えを追求できる柔軟性があると言えます。

同様に、1つの案を思いついてすぐに実行するのではなく、決断する前に複数の選択肢を検討する計画性も持ち合わせているはずです。

たとえば、旅行の計画を立てるときに、天気が悪くなった場合の屋内施設や、渋滞時の別ルート、電車が遅れた場合の予備プランまで想定して準備しておくかもしれません。

ここまでで、考えすぎる人がもつ5つの強みを考慮しました。

では、これらをどのように実生活に活用できるでしょうか。

「考えすぎ」の強みを実生活で活かす方法

では、考えすぎる癖をどう活かせば「最強の思考ツール」になるのでしょうか?

アリス・ボイズ博士は、「システムの欠陥に気づく強み」と「複数の選択肢を用意できる強み」を組み合わせるよう勧めています。

他の人が問題の解決に労力を費やそうとしない問題に対して、自らが率先して対応し、解決策を生み出すのです。

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問題解決能力を他人のために使う / Credit:Canva

そして自分の強みを自分一人のためではなく、他人のために使うという視点も重要です。

たとえば、あなたが感じている職場の非効率さや、日常生活の不便さを、家族やチーム全体の効率化に役立ててみてください。

自分の“細やかな思考”が、他人の時間を生み出す力になるかもしれません。

たとえば、100人あるいは、1000人の効率性を高める方法を開発できるでしょうか。

もし、1000人の時間を5分節約できるなら、合計83時間を生み出したことになります。

これを週1回に拡大できれば、年間で4333時間の節約になり、フルタイム2人分の労働時間を生み出したことになります。

もし毎日5分に拡大できるなら、年間で15人分の労働時間を生み出したことになるのです。

自分の気づきを行動に移せば、それだけ大きな価値を生み出せるかもしれません。

もしあなたが「私は考えすぎてダメだ」と感じているなら、自分にこう言ってあげてください。

「考えすぎる自分は、実は他人よりもずっと深く世界を見ているのかもしれない」と。

まずは今日、ひとつだけでいいので、自分の気づきを行動に変えてみてください。

あなたの思考は、未来を変える力になるかもしれません。

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参考文献

5 Things Overthinkers Excel At
https://www.psychologytoday.com/us/blog/in-practice/202506/5-things-overthinkers-excel-at

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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