もしも人類全員をひとつのミートボールにしてしまったら……?
そんなブラックユーモアに満ちた問いに、ある数学ファンが驚きの計算を持ち出しました。
地球上にいる82億人の私たちが、もしも文字通り「ひとつの塊」にまとめられたとしたら、それはいったいどれほどの大きさになるのでしょうか?
この記事では、人類を丸めた“巨大ミートボール”のスケール感を味わったうえで、昆虫、魚、そしてバクテリアなど、他の生物を使った“別メニュー”にも目を向けていきます。
目次
- 全人類をミートボールにしたら直径は1km弱?
- 他の生物のミートボールはどんな大きさ?
全人類をミートボールにしたら直径は1km弱?
2021年、Redditにて「kiki2703」というユーザーが投稿した内容が話題を呼びました(Reddit, 2021)。
彼が提示したのは、地球上のすべての人間をミキサーにかけて「人間スムージー」にした上で、密度と質量から球体としてのサイズを導くという計算です。
前提とされる数値は以下の通りです。
・人間1人の平均体重:62kg
・人体の密度:985kg/m³(ほぼ水と同じ)
・人口(2021年当時):約78億8000万人

この数値をもとに算出された“人間ミートボール”の直径はなんと約1km弱。
これは東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた敷地全体(約1.0km²)にすっぽり収まるほどのサイズです。
そして最新の2025年現在、世界人口はおよそ82億人に達しています。
これを反映させても、ミートボールの直径は約1.03km程度。つまり、地球全体の人間をひとつにまとめても、ニューヨークのセントラルパークの中にすっぽり収まってしまうというわけです。
この結果は、人口密度の過密さや都市生活の窮屈さを感じている人々にとっては、驚くべき結果かもしれません。
人類の総量は、思っているよりずっと「小さい」存在なのです。
またその総重量は約5.08億トンになると計算されました。
他の生物のミートボールはどんな大きさ?
では、地球にいる他の生き物たちでミートボールを作ったらどうなるのでしょうか?
ここからは人類以外の“食材”たちに注目してみましょう。
まずは昆虫。
昆虫の総質量は推定で約10億トンにのぼるとされており、人類の約2倍にもなります。
密度は水と同程度と考えられるため、直径に換算するとおよそ1.3〜1.4kmの球体となります。
つまり、人間ミートボールの直径よりはやや大きいが、重さは倍になると考えられます。
次に魚類ですが、ここではおおよその個体数が推測できる海面〜メソペラジック帯(水深1000mまで)に生息する魚類が対象とされました。
これらの魚の総量も、実は昆虫と同等の10億トン程度と見積もられています。深海魚の大群を丸ごとすりつぶしてミートボールにすると、やはり直径1.4kmクラスの「海の塊」が完成します。
そして、最も桁違いな存在がバクテリアです。
地球上のバクテリアの総質量は、なんと700億トン。人類の140倍にも及ぶ巨大質量です。
このバクテリアミートボールを作ると、直径は20kmを超えるとも言われています。
これは富士山(標高3776m)を5つ横に並べたスケールです。
バクテリアに比べると、人類の存在は地球の生物圏の中でいかに「ミニチュア」的なものであるかがよくわかるでしょう。
参考文献
A Mathematician Calculated The Size of a Giant Meatball Made of Every Human
https://www.sciencealert.com/a-mathematician-calculated-the-size-of-a-giant-meatball-made-of-every-human
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部