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【記録更新!】メガロドンの全長は「25mプール」にピッタリ納まるデカさと判明


最新の研究によって、太古の巨大ザメ「メガロドン」の全長は従来の推定よりも大きい24メートルに達する可能性が示唆されました。研究チームはベルギーとデンマークで見つかった化石を分析し、メガロドンの頭部と尾部の割合から全体のサイズを再推定。これまでの考えから、体型はスリムで流線型であったと結論付けられました。この研究はメガロドンの生態や絶滅に関する新たなヒントを提供するとともに、現生のホオジロザメや他の海洋捕食者の進化に関する理解を深める助けになると期待されています。

太古の海を泳いでいた伝説の巨大ザメ「メガロドン」。

彼らは全長15メートルに達する”史上最大級の捕食魚類”とされています。

しかし米デポール大学(DePaul University)の最新研究で、メガロドンの全長は従来の推定値よりもさらにデカい「24メートル」に達していた可能性が示されたのです。

またメガロドンはホオジロザメのようなずんぐり体型ではなく、ほっそりしたスリムな体型であったことも確認されました。

研究の詳細は2025年2月4日付で科学雑誌『Palaeontologia Electronica』に掲載されています。

目次

  • メガロドンの全長は24メートルに達していた⁈
  • メガロドンは「ずんぐり」ではなく「スリム」だった

メガロドンの全長は24メートルに達していた⁈

メガロドン(学名:Otodus megalodon)は、約2000万年前から360万年前まで地球の海を支配していた巨大ザメです。

学名の由来はギリシャ語で「大きな歯」を意味し、その名の通り、最大で18センチメートル以上の巨大な歯を持っていました。

またこれまでの研究で、メガロドンの全長は大きいもので15〜20メートルほどと推定されていました。

現生のホオジロザメの最大個体が全長6メートルなので、これでも十分すぎるほど大きいです。

しかし、この想定は主に歯のサイズから逆算されたものであり、完全な骨格が厳密に調べられていないため、正確なサイズはわかっていませんでした。

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メガロドンは全長24メートルに達した可能性が浮上/ Credit: Kenshu Shimada et al., Palaeontologia Electronica(2025)

そこで研究チームは今回、メガロドンの骨格の一部として発見されている脊椎骨の化石に着目しました。

特に、ベルギーで発見された11メートルにおよぶ胴体部分の脊椎の骨格化石と、デンマークで見つかった直径23センチメートルの脊椎骨が重要な手がかりとなりました。

チームはこれらの脊椎のサイズをもとに、現存する145種の現生ザメと20種の絶滅ザメの体長比率を分析することに。

その結果、メガロドンの頭部は全長の約16.6%、尾部は約32.6%を占めていた可能性があると推定されました。

そして、これらの比率から計算すると、ベルギー標本のメガロドン個体は全長16.4メートルに達し、デンマーク標本のメガロドン個体はなんと驚異の全長24.3メートルに達することが示されたのです。

これは従来の見積もりより4メートル以上も大きな推定値となります。

想像してみてください。

もしこのデンマークのメガロドンがこの世にいたら、学校の25mプールにすっぽり入るほどのデカさだったわけです。

加えて、メガロドンの新生児も生まれたときにはすでに全長3.6~3.9メートルに達していたことがわかりました。

これはホオジロザメの成体に匹敵するサイズです。

メガロドンは「ずんぐり」ではなく「スリム」だった

もう一つ、今回の研究で判明した興味深い事実は、メガロドンの体型についてです。

従来はホオジロザメのように、胴体から頭部にかけて丸々とがっしりした「ずんぐり体型」であると考えられていました。

ところが最新の流体力学モデルを用いた分析によると、メガロドンの体型はむしろ、現生の「ニシレモンザメ(学名:Negaprion brevirostris)」に近く、より細長く流線型であった可能性が高いと結論づけられたのです。

これは巨大な水生動物(ジンベエザメやクジラ類)が細長い体を持つことで流体力学的に効率よく泳ぐことができるという法則に基づいています。

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ニシレモンザメ/Credit: ja.wikipedia

今回の研究により、メガロドンの最大サイズや体型に関する新たな知見がもたらされました。

これにより、メガロドンの生態・成長パターン、さらには絶滅の理由についても新たな手がかりが得られる可能性があります。

特に、

・なぜメガロドンはここまで巨大になれたのか?

・どのような環境で生きていたのか?

・どのように絶滅へと向かったのか?

といった疑問の解明が期待されるでしょう。

また、メガロドンの生存戦略を理解することは、現存するホオジロザメや他の海洋捕食者の進化や生態系の変化を探る上でも重要な手がかりとなります。

太古の海を支配した巨大ザメの謎は、まだ完全に解き明かされていません。

今後も新たな研究や発見が続くことで、メガロドンの実像にさらに迫ることができるでしょう。

全ての画像を見る

参考文献

Megalodon’s body size and form uncover why certain aquatic vertebrates can achieve gigantism
https://phys.org/news/2025-03-megalodon-body-size-uncover-aquatic.html

Megalodon may have grown up to 80 feet long — far larger than previous estimates
https://www.livescience.com/animals/extinct-species/megalodon-may-have-grown-up-to-80-feet-long-far-larger-than-previous-estimates

元論文

Reassessment of the possible size, form, weight, cruising speed, and growth parameters of the extinct megatooth shark, Otodus megalodon (Lamniformes: Otodontidae), and new evolutionary insights into its gigantism, life history strategies, ecology, and extinction
https://doi.org/10.26879/1502

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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