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朝型と夜型ではコーヒーから受けるメリットは異なるのか?【運動パフォーマンス】


トルコのブルドゥル・メフメット・アキフ・エルソイ大学の研究によると、カフェイン入りコーヒーはクロノタイプ(朝型・夜型)に関係なく、筋力とスプリントパフォーマンスを向上させる効果があることが判明しました。この研究では、18~25歳の健康な男性を対象に、カフェイン入りとカフェイン抜きのコーヒーを朝と夕方に摂取させ、筋力テストを行いました。その結果、クロノタイプにかかわらず、カフェイン入りコーヒーは握力や背筋力、スプリントパフォーマンスを向上させることが確認されました。ただし、認知力には顕著な影響を与えなかったと報告されています。また、微妙な差として、朝型の人は朝に、夜型の人は夕方にカフェインを摂取した場合により効果が高かったとしています。

コーヒーが好きで毎日飲んでいる人にとって、「このコーヒー、実際どんなふうに体に効いているのか?」という疑問は、日々のルーティンの中でも特に気になるポイントではないでしょうか。

最近、トルコのブルドゥル・メフメット・アキフ・エルソイ大学(MAKU)の研究チームが、「コーヒーが筋トレやスプリントのパフォーマンスを向上させる」という注目すべき研究成果を発表しました。

しかもその効果は、朝型か夜型かといった「クロノタイプ」に関係なく、多くの人に当てはまる可能性があるというのです。

この研究成果は、2025年2月4日付で『Chronobiology International』誌に掲載されました。

目次

  • 朝型夜型でコーヒーを飲むタイミングは異なっているべき?
  • カフェイン入りコーヒーは朝型夜型に関係なく筋力パフォーマンスを高める

朝型夜型でコーヒーを飲むタイミングは異なっているべき?

コーヒーに含まれるカフェインが「目を覚まさせる」「集中力を高める」といった効果を持つことは、広く知られています。

さらに近年では、カフェインが運動能力にも好影響を与えるという研究が増えてきました。

実際に多くのアスリートたちが、トレーニングや試合前にコーヒーを飲むという話も耳にします。

一方で、人の生体リズムには個人差があり、いわゆる「朝型」「夜型」と呼ばれるクロノタイプが運動能力のピークに影響するとも言われています。

これまでの研究では、朝方の人は1日の早い時間帯に、夜型の人は夕方以降にパフォーマンスが高くなる傾向があるとされてきました。

そのため、コーヒーの効果もクロノタイプによって違ってくるのではないかという仮説が浮かび上がっていました。

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朝型と夜型ではコーヒーを飲むタイミングで運動パフォーマンスへの影響は異なる? / Credit:Canva

こうした背景にあって、トルコの研究チームは、「カフェイン入りコーヒーが運動パフォーマンスに与える効果は、クロノタイプによって異なるのか?」というテーマに挑みました。

研究では、定期的に筋力トレーニングを行っている17名の健康な男性(18~25歳)を対象に、クロスオーバー形式を採用。

各被験者に対して、運動の約60分前に特定の飲料を摂取してもらいました。

それぞれのセッションでは、朝にカフェイン入りコーヒー(体重1kgにつき3mg)、夕方にカフェイン入りコーヒー、朝にカフェイン抜きコーヒー、夕方にカフェイン抜きコーヒーが与えられました。

その後、朝8時から10時の間、夕方16時から18時の間に、それぞれ身体テストと認知テストが行われました。

テスト内容は、握力、背筋、ウィンゲート・スプリント(自転車を漕ぐ)テスト、反応時間を評価するフランカー課題などでした。

さらに、各参加者のクロノタイプ(朝型か夜型か)も事前に評価され、パフォーマンスとの関連性を比較されました。

カフェイン入りコーヒーは朝型夜型に関係なく筋力パフォーマンスを高める

研究の結果、カフェイン入りコーヒーを摂取した条件では、握力、背筋力、スプリントパフォーマンス、がいずれも向上していました。

これらの改善は、クロノタイプや時間帯に関係なく明らかでした。

とはいえ、微妙な違いも見られました。

例えば朝型の人は、朝にカフェイン入りコーヒーを摂取した場合、夕方に摂取したよりもパフォーマンスが向上していました。

同様に、夜型の人は朝よりも夕方に摂取したほうがパフォーマンスが向上していました。

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カフェイン入りコーヒーは朝型夜型に関係なく運動パフォーマンスを向上させる。ただし微妙な違いも生じる / Credit:Canva

一方で、今回の実験では、カフェイン入りコーヒーは認知能力に有意な影響を与えませんでした。

フランカー課題のパフォーマンスは、カフェイン入りと抜きで違いが出なかったのです。

(ただし研究チームは、認知テストが1種類しか行われなかったという今回の研究の限界を認めており、認知能力に対するカフェインの影響を正確に反映できていない可能性を指摘しています)

今回の実験結果で注目すべきは、コーヒーのカフェインの効果が朝型か夜型かにかかわらず、一貫して見られた点です。

つまり、「朝はパフォーマンスが出にくい」と感じている夜型の人であっても、運動前にカフェイン入りコーヒーを摂取することで、一定の効果が期待できるということになります。

もちろん、摂取量には注意が必要です。

研究で使用されたカフェイン量は、体重1kgあたり約3mgでしたが、個人の耐性や体調によって効果や副作用は異なるため、自分に合った量を見極めることが重要です。

朝型・夜型に関係なく、コーヒーの力を味方につければ、毎日のパフォーマンスが一段と高まるかもしれません。

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参考文献

Caffeinated coffee boosts strength and sprint performance in trained men, regardless of chronotype
https://www.psypost.org/caffeinated-coffee-boosts-strength-and-sprint-performance-in-trained-men-regardless-of-chronotype/

元論文

Effects of caffeinated coffee on physical and cognitive performance: Chronotype and time of day study
https://doi.org/10.1080/07420528.2025.2460654

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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