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男性は30歳以降「親友」が半分に減ると判明!でも友達は少ない方がいい?


ハーバード大学の研究により、男性は30歳から90歳にかけて「感情的な支援を提供してくれる友達」が半減することが明らかになりました。この研究は、年齢とともに社会的ネットワークが縮小する傾向を示しており、結婚や退職などのライフイベントが影響を与える可能性があります。特に幼少期に温かい家庭環境で育った人は、成人後も頼れる友達が多いという結果が出ています。本研究の偏りとして、対象がハーバード大学の男性(主に白人)であるため、他の文化的背景や女性に直接適用できない点が指摘されています。しかし、地域のコミュニティ参加や趣味を通じて新しい友達を作る努力が、年齢を重ねても「頼れる友達」を増やす鍵となるでしょう。

学生時代はなんでも相談できる親友がたくさんいたけど、今ではほとんどいない」と感じる男性は多いかもしれません。

誰にでも「困ったときに頼れる友達」は必要です。

けれども、年齢を重ねるとその数が自然と減っていくことをご存じでしょうか。

ハーバード大学(Harvard University)に所属するケイト・ペトロバ氏ら研究チームは、男性を対象に71年間にわたる長期調査を行い、30歳から90歳にかけて「感情的な支援を提供してくれる友達」の数が半減することを明らかにしました。

研究チームはこの変化に、幼少期の家庭環境やライフイベント(結婚、退職など)がどのように影響を与えるのかも調査しています。

この研究の詳細は、2024年1月発行の『Psychology and Aging』誌に掲載されています。

目次

  • 「頼れる友達」は年々減っていく?
  • 男性は30歳から90歳の間に「頼れる友達」が半減する
  • 親友は減る!でも、今から増やすこともできる!

「頼れる友達」は年々減っていく?

これまでの研究では、社会的ネットワークは年齢とともに縮小することが示されています。

年齢を重ねると人は限られた時間をより深い関係に集中するようになるとされているのです。

実際、「昔に比べて、友達が少なくなった」と感じる人は少なくないでしょう。

忙しい日常や、結婚、子育て、引っ越しなどのライフイベントを経るうちに、友人関係が疎遠になりやすいのは事実です。

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友人の数は減っていくもの。では「頼れる友達」は? / Credit:Canva

では、単なる友人ではなく、困ったときに話を聞いてくれたり、理解を示してくれたりするような親友の数はどうでしょうか。

多くの人は、感情的支援を提供してくれる「頼れる友達」を生涯大切にするものですが、そのような親友の数は年齢を通じてどのように変化するのでしょうか。

こうした頼れる友達の存在は、私たちの健康や幸福感と密接に関わっています。

誰かに相談したり頼ったりできない高齢者は、認知症のリスクが高まり、寿命が短くなる可能性さえあるのです。

だからこそペトロバ氏ら研究チームは、このような「感情的支援のネットワーク」の縮小が実際に起こるのか、もし生じるのであれば、その原因は何なのか調べることにしました。

男性は30歳から90歳の間に「頼れる友達」が半減する

研究チームは、1939年から1942年にハーバード大学に入学した男性235名を対象に、71年間にわたる追跡調査を行いました。

1951年から2010年までの間に、7回のデータ収集を実施。

参加者に「困ったときに感情的支援を求める相手」について質問し、具体的な名前や人数を記録しました。

男性たちに「感情的なサポートを誰に求めますか」「個人的な問題について、普段誰と話しますか」と尋ねてきたのです。

また、幼少期の家庭環境(親の温かさ、家庭内の雰囲気)やライフイベント(結婚、退職など)も併せて調査しました。

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「頼れる友達」は、30歳から90歳の間に半減する / Credit:Canva

その結果、感情的支援を提供してくれる友達の数は、30歳時点で平均2人だったのが、90歳になると平均1人に減少していました。

この減少は、ほぼすべての参加者に共通して見られました。

男性たちの頼れる友達の数は年齢を重ねるごとに減り、最終的に半分になるのです。

また、幼少期に親からの温かいサポートを受けて育った人は、成人後に頼れる友達の数が多い傾向にあると分かりました。

一方で、幼少期の社会経済的地位(親の収入や教育水準)は、頼れる友達の数に大きな影響を与えていませんでした。

さらに、結婚期間中には頼れる友達の数が少なくなる傾向が見られましたが、これは配偶者への依存が増加するためと考えられます。

ちなみに、退職は頼れる友達の数に大きな影響を与えないことも確認されました。

親友は減る!でも、今から増やすこともできる!

今回の研究にはいくらか限界があります。

対象がすべて男性(主に白人)であり、これは調査開始当時の社会的背景とハーバード大学がもともと男子校であったことに起因しています。

そのため、女性や他の文化的背景を持つ人々に結果を直接適用することはできません。

一般的に、女性は男性よりも社会的ネットワークを維持しやすい傾向があるとされており、その仕組みや高齢期の支援ネットワークの特徴を調べることは、今後の重要な研究課題となるでしょう。

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親友は今から作ることもできる! / Credit:Canva

それでも男性をターゲットにした今回の研究は、年齢を重ねるごとに寂しさが増したように感じる男性に刺激を与えるものです。

誰しも、頼れる友達が減っていく傾向を持っています。

そして、「頼れる友達の数」に影響を及ぼす幼少期の家庭環境を、大人になってから覆すことはできません。

それでも、地域のコミュニティ活動や新しい趣味への挑戦、過去の友人との再会など、積極的に行動することで「頼れる友達」を作り直すことは可能です。

30代以降は友人を限定した方が幸福度は高くなるという研究も報告されているので、高齢期は友人の数自体を気にするより深く付き合える友人を見つけることが豊かな人生を送るカギとなるでしょう。

20代は友人を増やした方が、30代は友人を減らした方が後の幸福度が高くなる

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参考文献

Men lose half their emotional support networks between 30 and 90, decades-long study finds by Mane Kara-Yakoubian January 23, 2025in Parenting, Social Psychology
https://www.psypost.org/men-lose-half-their-emotional-support-networks-between-30-and-90-decades-long-study-finds/

元論文

Emotional support across adulthood: A 60-year study of men’s social networks.
https://psycnet.apa.org/doi/10.1037/pag0000843

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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