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直径2km以上!「惑星殺し」と呼ばれる巨大小惑星が28日地球に最接近!


今まさに、直径2310mにも及ぶ巨大小惑星「2011 UL21が地球に向かって近づいています。


これは観測された潜在的に危険な地球近傍小惑星の中で最大級に近いサイズであり、「惑星殺し(planet killer)」と呼ばれています。


エベレスト山の倍以上ある巨大な岩塊が地球に衝突するようなことがあれば、地球は壊滅的な被害を受けることになるでしょう。


ESAによると、惑星殺しは、6月28日午前5時(日本時間)に地球に最接近し、上空約650万kmを通過するとのこと。


「2011 UL21」の規模と接近距離から、多くの天文学者や天体愛好家の注目を集めています。


このサイズの小惑星は、望遠鏡を用いれば観測できるといい、惑星殺しの観測配信なども予定され、話題の天文イベントになっています。




目次



  • 地球を破壊する!?「惑星殺し」とは?
  • 惑星殺し「2011 UL21」が6月28日午前5時(日本時間)に地球へ最接近

地球を破壊する!?「惑星殺し」とは?


天文学や宇宙に興味をもつ人々にとって、今回の「2011 UL21」の通過は見逃せないイベントです。


なぜなら、「惑星殺し(planet killer)」と表現される小惑星が、今まさに、地球に近づいているからです。


「惑星殺し」という呼称は、主に直径が1000mを超える巨大な小惑星に対して使用されます。


巨大な小惑星が衝突すると、地球は壊滅的な影響を受ける。イメージ
巨大な小惑星が衝突すると、地球は壊滅的な影響を受ける。イメージ / Credit:Canva

それほど巨大な小惑星が地球や他の惑星に衝突すると、壊滅的な影響を及ぼす恐れがあります。


まさに、「惑星を殺す」力を持った小惑星というわけです。


例えば過去には、地球と金星の間を周回する「2022 AP7」が、惑星殺しと呼ばれ話題になりました。


2022 AP7は直径約1500mですが、現在または近い将来、地球に影響を及ぼすほど接近することはありません。


それでも仮に衝突するなら、複数の大陸にわたって影響を及ぼすと考えられます。


2022年に発見された時は、「過去8年間に存在が特定された潜在的に危険な小惑星(PHA)の中で最も大きい」ものとして恐れられました。


日本時間の28日午後5時、惑星の殺し屋「2011 UL21」が地球に最接近する
日本時間の28日午後5時、惑星の殺し屋「2011 UL21」が地球に最接近する / Credit:ESA –P.Carril

そして今回、大きな注目を集めている小惑星「2011 UL21」は、2011年に発見された小惑星であり、2022 AP7と同じく「潜在的に危険な小惑星」に該当します。


そのサイズは、2022 AP7をはるかにしのぐ直径2310mです。


仮に地球と衝突するなら、地球の気候や生態系に壊滅的な影響を及ぼすと予想されます。


まさに「惑星殺し」であり、発見されて以来、天文学者たちによって、その軌道と地球への接近のタイミングが詳細に追跡されてきました。


そしてまさに今日(2024年6月27日)、惑星殺し「2011 UL21」は、地球に最接近しています。


惑星殺し「2011 UL21」が6月28日午前5時(日本時間)に地球へ最接近


小惑星 2011 UL21 は、6月2日 20:14(UTC:世界時間)に地球を通過します。
小惑星 2011 UL21 は、6月2日 20:14(UTC:世界時間)に地球を通過します。 / Credit:ESA

「2011 UL21」は2024年6月27日午後8時14分(世界時間)に、地球に最も接近すると考えられています。


日本時間では6月28日午前5時14分ごろです。


このとき小惑星は、地球から約650万kmの距離、つまり月と地球の距離の約17倍の位置を通過します。


この距離は天文学的には「非常に近い」と言えるため、天文学者たちはこの機会を利用して詳細な観測を行う予定です。


では、私たちもこれまでで最大級の「惑星殺し」を観測できるのでしょうか。


この小惑星は、6月28日もしくは29日あたりに太陽との位置関係からもっとも明るく光って見えるため、観測できるチャンスがあります。


ただし、肉眼で直接見ることはさすがに難しいようです。雲がなく、きれいに晴れているタイミングで、望遠鏡を使用して観測する必要があります。


惑星の殺し屋と地球がかすめる様子。
惑星の殺し屋と地球がかすめる様子。 / Credit:ESA

なら見れないか、と諦める人もいるかも知れませんが現代は、ライブストリーミングによる観測イベントが配信されるので、誰でもこの天文イベントを楽しむことができるしょう。


例えば、YouTubeチャンネル「The Virtual Telescope Project」では、日本時間6月28日の午前5時から、2011 UL21接近の様子をライブ配信するそうです。


自宅の部屋から、惑星殺しが地球に最も近づく様子を楽しむのも良いでしょう。


「惑星殺しが地球をかすめて通過する」というニュースは、非常に魅力的なイベントです。


上のような軌道シミュレーション図でみると、惑星殺しの巨大小惑星が本当に地球をかすめるように接近していることがわかります。


もちろん地球にこの小惑星が衝突する恐れがないことは、明らかにされています。


しかし地球近傍に2000mを超えるような小惑星が浮遊しており、かすめるように横切っているという事実はかなり恐ろしいものがあります。


いつかそんな小惑星が地球に直撃する日が訪れたとしても、何も不思議はないでしょう。


今回の小惑星の通過は、宇宙の脅威について改めて考え、地球防衛の重要性を理解する良い機会となるでしょう。


小惑星を「探査機の体当たり」でそらす、世界初の惑星防衛実験をNASAが実施






全ての画像を見る

参考文献

‘Planet killer’asteroid set to skim past Earth in just days –here’s how YOU can see it
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-13568005/Planet-killer-asteroid-shoot-past-Earth.html

Two large asteroids safely pass Earth just 42 hours apart
https://www.esa.int/Space_Safety/Planetary_Defence/Two_large_asteroids_safely_pass_Earth_just_42_hours_apart

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。

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