ピーターボールドの特徴
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ピーターボールドはロシアのサンクトペテルブルグで誕生した比較的新しい猫種です。
無毛種であるドンスコイとオリエンタルショートヘアーを掛け合わせて誕生しました。
無毛のピーターボールドは見た目がスフィンクスにそっくりです。
しかしすべてのピーターボールドが無毛というわけではないんです。
特徴のある被毛について、また体型や身体的な特徴、寿命などについて説明します。
ピーターボールドの体型や身体的な特徴
ピーターボールドはオリエンタルタイプの体型をしているスリムでほっそりとした、それでいながら筋肉質な猫種です。
平均体重はオスが3kg~6kgでメスが2.5kg~5kg程とされています。
スリムで華奢にも見えますが、身体の大きさはスフィンクスと同じくらいだということがわかります。
胴体と手足は長くてすらっとしており、顔は小さくて逆三角形、目はアーモンド形で吊り上がっていて、頬がこけているという特徴があります。
また、大きめの耳はピンと立っていて少し離れ気味についていて、鞭のように細くて長い尻尾を持っています。
最大の特徴は被毛で、生え方により「ボールド」と「ヘアリー」という二つに分かれています。
またボールドはさらに「ウルトラボールド(毛が生えていない)」「フロック/シャモア(部分的に毛が生えている)」「ベロア(全身に産毛のような細かい毛が生えている)」の3つに分けられます。
そしてヘアリーは「ブラッシュ(ワイヤーヘアー)」と「ストレート(直毛)」の2つに分かれます。
上記のように、生涯毛が生えないという特徴のピーターボールドはウルトラボールドに分類されます。
ピーターボールドの寿命
ピーターボールドの平均寿命は推定で14歳から15歳くらいとされています。
比較的新しい猫種なので、まだわからないことがたくさんあります。
それで、平均寿命は交配元のオリエンタルショートヘアーと同じくらいだと推定されています。
今後、遺伝性疾患やかかりやすい病気などのデーターなどがとれると、もうすこし正確な平均寿命がわかってくるでしょう。
いずれにしても、完全室内飼いで健康管理などに気を付けて大切に育てることによって平均寿命よりも長く生きることができるかもしれません。
ピーターボールドとスフィンクスの違い
スフィンクスに似ていると言われることがありますが、よく見ると違いがあります。
まず、大きな違いとして挙げられるのが被毛です。
スフィンクスはほぼ無毛、または桃のように薄い産毛が生えているくらいですが、ピーターボールドには毛があるヘアリータイプがいます。
確かにボールドタイプ(特にウルトラボールド)はスフィンクスに似ているのは確かです。
もうひとつの違いは、ヒゲです。
スフィンクスにはヒゲがありませんが、ピーターボールドにはヒゲがありますので、よく観察してみてください。
ピーターボールドの歴史は?
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ピーターボールドは1988年にロシアで発見された無毛種のドンスコイとオリエンタルショートヘア―の人為的な交配によって生まれた新種です。
1994年に研究者のオルガ・マロノアが、ロシアでオスのドンスコイとメスのオリエンタルショートヘア―を交配しました。
マロノアは無毛のドンスコイに部分的に毛が生えた個体が生まれてきたり、成長の一時期に毛が生えることがあることに注目し、猫を無毛にする遺伝子を研究の対象にしていました。
この時に4頭の子猫が産まれ、マンダリン、マスカット、ニツェンカ、ノクターンと名付けられました。
マロノアの研究結果ははっきりと説明がつくものではありませんでしたが、美しくて滑らかに被毛を持つ子猫が産まれ、とても魅力的でした。
この4頭の中からノクターンが基礎となり、無毛または桃のような産毛が美しいと評価を得るようになりました。
1996年にロシアの猫種登録団体であるSFFに公認され、1997年にはアメリカのTICAに、2003年にWCFに新しい猫種として公認されました。
近年では長いマズルやエレガントな体、長い足などが好まれているため、シャムやオリエンタルショートヘアーとの交配によって育種が続けられています。
その一方で2005年以降は、独特の美しい被毛を保つために、シャムの長毛種であるバリニーズやオリエンタルの長毛タイプとの交配は禁止されています。
名前の由来は、ロシアの都市のSt.Petersburgのピーターと、無毛という意味のボールドからきています。