犬に対するアロマの効果
アロマテラピーの犬への効果はこんなにあった!
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犬に対するアロマテラピーの効能は、人間のようなリラックス効果のようなメンタル面だけでなく、抗菌作用や防虫効果によって、フィラリア感染を防ぐなど実質的な面があります。
しつけの面で、攻撃性を抑制して無駄吠えをなくす効果も注目されます。
また犬が長命になるにつれ、関節炎やガンのような病気で痛みを抱えているときに、疼痛緩和の効果があることも注目されます。
しかし使用を誤ると危険なアロマもあるので、充分注意しましょう。
犬へのアロマテラピーのやり方
犬へのアロマテラピーは植物成分を濃縮した精油(エッセンシャルオイル)を使って行います。
オイルマッサージには、必ず1%以下の希釈液を使い、犬が危険な原液を舐めないように注意します。
ディフューザー(拡散器)を使う場合は1回30分程度を、1日1,2回が目安です。
天然成分の虫よけアロマスプレーの作り方
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夏から秋にかけてのお散歩では虫刺されに注意しなければなりません。
飼い主さんは市販の虫よけスプレーを使うことができますが、市販の虫よけスプレーには犬への安全性が確立されていない『ディート』という成分が含まれています。
天然の植物成分であるアロマオイルで虫よけスプレーを作れば犬にも使うことができます。
【用意するもの】
ユーカリのアロマオイル、スプレーボトル(100円ショップなどで売っている)、エタノールと精製水(ともにドラッグストアなどで売っている)
【作り方】
1.スプレーボトルにエタノール20~30mlを入れ、アロマオイルを2~3滴加えてよく振り混ぜる。
2.そこに精製水200~300mlを加えさらによく振り混ぜる。
【使用法】
使う前にボトルをよく振り混ぜて適量スプレーする。
知っておきたい危険な側面
犬へのアロマテラピー(マッサージ)の注意
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ティーツリー、マヌカオイルやベルガモットなど柑橘系オイルのなかには、レモンに含まれるソラレンのような光毒性をもつものがあります。
本来は毒性が低いのですが、光(紫外光)が当たると危険な有毒物質に変化します。
果実に含まれる量では問題ありませんが、精油として濃縮された成分を犬や猫が舐めると血中に移行します。
この状態で表皮血管が日光に当たると嘔吐や目眩の症状が表れ、肝機能障害によって危険な状態に陥ることもあります。
また皮膚に付着した成分は炎症を起こす畏れがありますので、使用直後の散歩は控えましょう。
白系統の犬やヘアレス種は特に注意が必要です。
猫が柑橘系のにおいを嫌うように、動物は危険な物のにおいを知っているので、嫌がる香りによるアロマテラピーは止めた方が無難です。
その他の注意点
犬にアロマテラピーを行うときのその他の注意点、特にマッサージの注意として6か月未満の子犬や老犬、治療中の犬、授乳中の犬への使用は避けましょう。
クローブやオレガノのようなハッカ属で香辛刺激のあるアロマも、嗅覚の強い犬には危険なので注意が必要です。
犬がこんなときにはこのアロマ
興奮を鎮めるとき
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ラベンダーやマジョラムは鎮静効果があるので、犬の無駄吠えを抑えるのに有効です。
殺菌や虫除けも期待できます。
関節痛や咳を鎮めるとき
ユーカリは咳止めの効果があります。
ティーツリーは免疫力を高める効果がありますが、犬、ひいてはペットへの使用には賛否があります。
食欲亢進やリフレッシュのとき
オレンジ、オレンジスイートは消化促進や気分を明るくするのに用いられます。
香りに使用し、犬へのマッサージによるアロマテラピーには向きません。
アロマ(香り)は危険?
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香りが犬の体に作用するのは、香り成分が鼻の受容体に結合して脳内の神経制御物質の分泌を促すためです。
お酒のように飲んだアルコールが直接作用するわけではないので、安全性が高いものです。
ただ大好きなアーティストのコンサートで興奮し過ぎて失神する人がいるように、興奮状態の長期持続は体に悪いこともあります。
加熱することでアロマに似た物質になる麻薬成分は、受容体に結合したまま離れないので心地よい状態が長く続きます。
このため習慣性があり、体に危険な害を及ぼします。